国土交通省鉄道局は10日に行われた第12回復興推進会議にて、JR常磐線の全線開通に向けての見通しなどについて報告した。

JR常磐線の普通列車

常磐線は東日本大震災および福島第一原子力発電所事故の影響で、4年が経過した現在も竜田~原ノ町間と相馬~浜吉田間で列車の運転見合わせが続く。相馬~浜吉田間は一部区間で線路を移設した上で2017年春頃の運転再開を見込んでおり、現在は相馬~亘理間で代行バス輸送が実施されている。

竜田~原ノ町間では、今年1月31日から代行バスの運行が開始された。ただし、同区間は帰還困難区域を含む福島第一原発20km圏内を通行することもあり、2往復のみの運行で途中駅はすべて通過とされている。

第12回復興推進会議での報告は常磐線竜田~原ノ町間に関する内容が中心で、総理からの指示を受け、検討されたという。報告内容によれば、「原ノ町~小高間は2016年春までに開通し、小高~浪江間は遅くとも2年後の開通をめざします」「竜田~富岡間は3年以内をめどにできるだけすみやかな開通をめざします」とのこと。

残る富岡~浪江間は帰還困難区域を含む区間であることから、具体的な開通時期には言及せず、「除染や異常時の利用者の安全確保策を完了した後、開通します」としている。