帝国データバンクは4日、2015年2月の景気動向調査の結果を発表した。それによると、2月の景気動向指数(景気DI)は前月比1.2ポイント増の45.1となり、2カ月連続で改善した。

全国の景気DI(出典:帝国データバンクWebサイト)

2月は、円安による自動車輸出の拡大が関連業種にも波及したほか、企業の設備投資意欲が改善傾向を示したことで生産活動も活発化。また、原油や天然ガスの価格下落が企業の負担軽減につながり、景気は「消費税率引き上げ後の悪化傾向から脱し、底入れした」と分析している。

業界別に見ると、全10業界中、「不動産」「製造」「小売」「卸売」など7業界で改善。中でも「不動産」は貸事務所やマンション需要の増加もあり、前月比2.1ポイント増の47.2と13カ月ぶりの大幅改善となった。また、春節に伴う中国人旅行客の拡大も小売や旅館・ホテルなどを押し上げたという。

地域別では、全10地域が11カ月ぶりにそろって改善。地元の主力産業の回復や、円安に伴う訪日旅行客増加によるインバウンド消費の拡大など、金融緩和の好影響が緩やかに広がっている。

今後の見通しについては、「外部要因がけん引しつつ緩やかに改善すると見込まれる。しかしながら、夏以降に新たな景気対策が打ち出さなければ横ばいで推移すると予想される」としている。