Infineon Technologiesは、車載用高速スイッチングアプリケーションで最高クラスの効率性を実現できる電気自動車(EV)/ハイブリッド自動車(HEV)向け650V版IGBTファミリ「TRENCHSTOP 5 AUTO」を発表した。

同ファミリは、従来の車載用IGBT比で阻止電圧が50V高く、同社の薄ウェハ技術「TRENCHSTOP 5」により、最高クラスの効率性評価を達成したとする。これにより既存の先端技術と比べた場合でも、飽和電圧(VCE(sat))は200mV削減し、スイッチング損失は半分に、ゲート電荷は2.5分の1に削減され、スイッチング損失と伝導損失が抑えられることで、代替技術よりも低いジャンクション温度とケース温度への対応が可能となり、デバイスの信頼性が増すだけでなく、冷却の必要性も最小限で済むようになるという。

同ファミリ製品の定格電流は40Aまたは50Aで、単一のディスクリートIGBTデバイスか、同社の超高速「Rapid」シリコンダイオードとの1パッケージ形式で提供される。いずれの場合でも、設計時の最優先基準が、最適なスイッチング速度であるか、最高の効率性であるかに応じて、「H5 HighSpeed」と「F5 HighSpeed FAST」の2種類の派生製品を選択可能だという。

なお、同ファミリは、すでにTO-247パッケージにて、エンジニアリングサンプルの提供を開始しており、量産は2015年3月に開始される予定だという。