ノベルは3月4日、オープンソースのCeph Fireflyベースのエンタープライズ向けの分散ストレージソリューション「SUSE Enterprise Storage」の提供を開始したと発表した。同ソリューションは、最小構成が4ノードで、価格は1万ドルから。

「SUSE Enterprise Storage」の最小構成

この製品はSUSE Linux Enterprise 12上で動作することを前提に提供されるSoftware Defined Storage(SDS)ソリューション。Ceph Fireflyの機能をすべて網羅した上で、SUSE Linux Enterprise 12に最適化しているという。

本製品は、キャッシュ階層化、シンプロビジョニング、コピーオンライト方式のクローン作成、erasure coding(消失訂正符号)などの機能を搭載。また、自己管理機能と自己修復機能を備えており、フルシステムのロールバックに対応し、ノードリブートなしにカーネルパッチの適用が可能。さらに、Anti VirusソフトであるClamAVに対応する。

「SUSE Enterprise Storage」の概要

ノベル エバンジェリスト 村川了氏は「非構造データは指数関数的に増えており、既存のストレージでやりくりするのは限界になってきている。 Cephは分散ストレージ、オブジェクトストレージとして利用でき、人気が高い。SUSE Enterprise Storageは、1つのソフトウェアでパラメータを変えるだけで、4つの用途に対応できるという柔軟性がある。とくに、ミッドレンジ以下をターゲットに販売していきたい」と述べた

「SUSE Enterprise Storage」の4つの用途

テーゲットはパブリッッククラウドサービスを第一に、OpenStackのストレージ、Hadoop/HPCなどの分散処理用Storage、一般的な共有ファイルシステムなどの利用を想定しているという。

代表取締役社長の河合哲也氏は、「最近はSoftware Definedが大きなキーワードになっており、これが今回の発表の背景になっている。すなわち、これまで専用機だったものが、Software Definedに置き換わっている。そこで、ソフトウェアベンダーでもあるノベルもストレージ業界に参入する。まずは、Cephを普及することを目的に、戦略的な価格設定にした。今後はパートナーと組んで、クラウドサービスプロバイダに提供していきたい」と述べた。

クラウドストレージサービス利用イメージ