JR東日本は3日、写真家・蜷川実花が車体デザインを手がけ、"全席ミュージアム空間"となる新コンセプトの新幹線「GENBI SHINKANSEN(現美新幹線)」を発表した。運行開始は2016年春以降を予定。

現在検討中のインテリアのイメージイラスト(実際のものとは異なる)

「GENBI SHINKANSEN(現美新幹線)」は、新潟エリア(越後湯沢~新潟間)を中心とした上越新幹線区間で運行される新たなコンセプトの車両で、E3系(新幹線用車両)に改造を施し、6両編成/105名(予定)といった規模にて展開される。同エリアでは、アートによる地域づくりの先進事例として知られる大規模なアートイベント「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」が開催されていることを受け、首都圏からの来場者や海外からの来訪者、そして地元の人々も楽しめる新たなコンテンツとして、「移動する現代アートの美術館」というテーマの新車両を投入するに至った。

また、エクステリアデザインは現在大規模な個展を原美術館にて開催中の著名写真家・蜷川実花氏が手がける。列車自体をキャンバスに見立てて、外観に「長岡の花火」を描き出す大胆なデザインを行う予定で、具体的なデザインは後日あらためて発表されるとのこと。

インテリアは、6車両すべてをそれぞれ異なるアーティストが担当。絵画、立体、写真、映像、テキスタイルなどの現代アートを中心とした作品の展示を予定しており、この車両のために制作したものが見られるという。中ほどの1両は「カフェ」と「キッズスペース」空間とし、カフェでは魚沼産コシヒカリの米粉を生かしたケーキやマドレーヌなどを製造する菓子工場「十日町すこやかファクトリー」(十日町市)と、著名な菓子研究家が協力して製造したメニューを提供。キッズスペースもアーティストの監修によって「こどもがアートに触れられる空間」とする。なお、 具体的な参加アーティストや作品内容などについても、外観デザインと同様決定し次第告知される。