「SUSHI」を筆頭に世界には数多くの日本食レストランが登場しており、今日では箸を器用に使いこなす外国人も少なくない。とは言え、その国にローカライズされた日本食も多く、中には日本人が想像もしなかった日本食も世界には存在している。そこで今回、日本に住む外国人20人に、日本で日本食(和食)を食べた時、「母国の日本食レストランと違う! 」と思ったことを聞いてみた。

メニューが違う

・「アメリカで住んでいた地域には日本食レストランはほとんどが寿司か鉄板焼きの店だったので、日本の和食の店とはだいぶ違う。アメリカでは漬物などはあまりなく、寿司でも魚を使った料理は少なかった」(アメリカ/26歳/男性)

・「日本は専門店が多い。カナダでは寿司屋でもとんかつや天ぷらも食べられるのが基本。また、料理の種類が違う。カナダではカリフォルニアロールやBCロール(ブリティッシュコロンビアロール)、カナダのローカルグルメが多い」(カナダ/31歳/男性)

盛り方・作り方が違う

・「だいぶ違うが、最も違うのは見た目。日本の方が見た目もきれい。あと、材料が違うので味もあまり似てない場合が多い」(トルコ/39歳/男性)

・「盛りつけは日本の方がきれいだと思う」(中国/28歳/女性)

・「寿司のすし飯の握り方や魚のクオリティー」(フランス/30歳/男性)

・「日本の店では盛りつけに繊細さを感じるが量が少ない。見た目はきれいだが、量が少な過ぎてビックリした」(ブラジル/30歳/女性)

素材が違う

・「食材と値段。日本食特有の食材がドイツには少なく、値段もドイツは高い」(ドイツ/39歳/男性)

・「刺し身の鮮度、味」(マレーシア/36歳/女性)

・「日本で日本食を食べた時、母国の日本食レストランと全然違うと感じた。たぶん、材料が違うんだと思う」(ミャンマー/32歳/女性)

・「寿司。味や切り方がかなり違う」(イタリア/38歳/女性)

・「寿司の味は日本の方が断然おいしい」(オランダ/44歳/女性)

食べ方が違う

・「日本のすき焼きにびっくり」(インドネシア/37歳/男性)

・「タイでは緑茶に砂糖が入っている」(タイ/30歳/女性)

・「米の質。日本には箸がある」(イギリス/30歳/男性)

サービスが違う

・「ウクライナの日本食レストランではおしぼりと水が出ない。ウクライナの寿司屋はほとんど手巻きで、お茶は有料」(ウクライナ/42歳/女性)

・「寿司や刺し身は日本の方が圧倒的においしい。ビールを冷やすところも違う」(シリア/35歳/男性)

・「日本の店はおかずが少ない感じ」(韓国/48歳/男性)

・「日本の方がだいぶ安い。日本の方が味は薄いがおいしい」(スペイン/32歳/女性)

そのほか

・「フィンランドで日本食レストランに行ったことがない。フィンランドには日本食レストラン自体あまりない」(フィンランド/27歳/男性)

・「母国で食べた日本食とそんなに違いがない」(ベトナム/31歳/女性)

総評

今回は「日本食」というテーマで質問したが、ほとんどの人が寿司に関して回答していることからも、外国人にとって"日本食=寿司"というイメージが強いことが分かる。新鮮な魚が手に入りにくいところもあったり、そもそも魚食文化が盛んではなかったりと、その国ならではの事情がある。カニやアボカドなどで作るカリフォルニアロールや、焼いた鮭を皮ごと巻くBCロールは、そうした文化の人にも好まれる味として海外で浸透しているようだ。

また、特別な食材や繊細な料理ゆえに、海外では高級品として日本食が提供されているところも多い。そのため、基本的に日本では母国に比べるとお手軽さを感じる外国人は多いだろう。また、席に着くとおしぼりや水が提供される日本の飲食店サービスそのものにも、母国との違いを感じているようだ。

もちろん、オーナーが日本人か外国人かで海外の日本食レストランも趣が変わってくる。筆者はニュージーランドで照り焼きダレがのったサーモンに出合い、初めはびっくりしたが、食べてみると「これもアリだな」と思えるほどおいしく感じた経験がある。日本人が知らないおいしい日本食が、世界にはまだまだたくさんあるのかもしれない……。

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