米IBMと米ジュニパーネットワークスは2月24日(現地時間)、ネットワークの動作に対するリアルタイム洞察を提供する計画を発表した。これは、ユーザーがモバイル・エクスペリエンスを高め、増加する「モノのインターネット」(IoT、Internet of Things)アプリケーションへの需要に対応し、ビッグデータから得られる新たな機会を発見できるよう支援することが目的という。

両社が協力して次世代の高性能ネットワーク・アナリティクスの設計と提供を実現することで、通信サービス・プロバイダや企業がアプリケーションのユーザー・エクスペリエンスを向上させると同時に、俊敏性と効率性を向上し、展開時間とコストを削減できるようにするとしている。

今回発表した提携により、両社は新たなソリューションの設計に取り組む。その中で、ジュニパーのMXルータのサービス・コントロール・ゲートウェイ(SCG)を、IBMのNow Factoryのアナリティクスと統合する予定だ。この統合により、ネットワーク運用の最適化が可能となるほか、デバイスの機能や場所を考慮しながら、ネットワークと実行するアプリケーションの使用者に基づいてサービス・エクスペリエンスをカスタマイズ可能になるという。

両社はさらに、以下のような機能を実現する計画だ。

MXルータのSCG、Juniper Contrail、Now Factoryの組み合わせにより、ユーザーとVPNの動作に対する完全な可視性を実現する。通信サービス・プロバイダが実際のデータに基づいてスケーラブルな自動化サービスを提供できるようにする。

ジュニパーはIBMのアナリティクス機能を利用して、データ・フローに対する理解を深め、ユーザーがビデオを見ているかビジネス・アプリケーションを使用しているかに関わらず、ネットワークの運用とサブスクライバーのエクスペリエンスを自動的に更新・最適化する自己構成を実現する。

リアルタイム洞察や予測洞察といったIBMのアナリティクス機能は、ジュニパーのクラウド分析エンジンであるCAEおよびスイッチング・ソリューションとも統合し、待ち時間などの異常が発生する前に予測して修正することによって、エクスペリエンスの質とアプリケーションのパフォーマンスを高める。