エヌ・ティ・ティ出版はこのほど、書籍『失われた国家の富 タックス・ヘイブンの経済学』を発売した。著者は仏の経済学者トマ・ピケティ氏の教え子でLSE(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)准教授のガブリエル・ズックマン氏。翻訳者は林昌宏氏。価格は1,728円。

「タックス・ヘイブン」は、グローバル資本主義の暗部ともいわれる。近年、先進国の協調による包囲網が敷かれてはいるが、依然として税金逃れを目的とした巨額資金の流入は止まらない。同書は、20代の若手経済学者が、タックス・ヘイブンの実体を経済学的手法により、客観的に計測、現在の対策を検証し、さらに未来のグローバルな課税対策を提案している。師のピケティ氏は「タックス・ヘイブンと戦う方法について最良の書を著した。必読書である」との賛辞を寄せている。

主な内容は、「イントロダクション」「第1章 オフショア金融の時代」「第2章 国家の失われた富」「第3章 避けるべきミス」「第4章 何をなすべきか。新たなアプローチ」など。一橋大学大学院経済学研究科教授の渡辺智之氏による解説も掲載する。

著者のガブリエル・ズックマン氏は1986年仏パリ生まれ。LSE准教授。『21世紀の資本』(みすず書房)の著者、トマ・ピケティ氏の教え子として知られる。