芝浦工業大学は2月24日、廃棄された小型機器から金属類を効率よく回収する技術を開発したと発表した。

同成果は同大学電子工学科の本間哲哉 教授によるもの。

液晶ディスプレイ、ブラウン管、プリント配線板、蛍光管、集積デバイスなどの中には、レアメタル、レアアースを含む再生可能な金属類が多く含まれている。現在、廃棄された機器からそれらを回収するには、金属腫ごとに回収過程が分かれていることや、高温処理のために大量のエネルギーを消費すること、回収率が低いなどの問題がある。

本間教授らが開発した技術は、室温程度の酸の中に破砕した小型機器をまとめて入れて溶かし、電気分解によって各金属を個別に回収するというもの。事前に分別する必要がないため、解体処理の簡略化が図れることや、シリカ系ガラスなど金属以外の各種廃棄物も同時処理が可能などのメリットがある。また、室温で処理ができるため、エネルギー消費量の低減にもつながる。

今後は企業と共に、機器の粉砕から金属回収、廃液回収までを一括で行う装置の開発を目指すという。

プロセス図

プリント基板を溶液処理する前(左)と後