米Qualcomは現地18日、最新の「Cortex-A72」を採用したスマートフォン向けSoCの「Snapdragon 620」をはじめ、同618、同420、同415の4種類のSnapdragonシリーズの新製品を発表した。すべてLTEモデムを搭載、スマートフォンの中でも比較的安価な価格帯を狙ったもので、搭載端末は2015年後半以降に登場を見込むという。

Qualcommが発表した4つの新製品イメージ

Qualcommが今回発表したのはエントリーレベルの400系とマス市場向けの600系の新製品となり、高い機能を持った端末をさまざまな価格帯で、というトレンドを支援するものとなる。

Snapdragon 620は、「Samsung GALAXY Note 4」などで採用されたハイエンド向けの800系で提供する高い機能を600系に拡大するものとなる。Snapdragon 620には、英ARMが2月初めに発表した最新の「Cortex-A72」「Coretex-A53」を各4基、そして自社「Qualcomm Adreno GPU」を搭載する。また、下り最大300Mbpsの「X8 LTE」モデムを搭載、高い処理能力に加え、4K Ultra HD動画のキャプチャと再生、2k画面のサポートなども特徴となる。マルチメデイアのほか、「Quick Charge 2.0」の統合により消費電力にも優れるとしている。

「Snapdragon 618」は、「Cortex-A72」を2基、「Coretex-A53」を4基搭載した6コア構成となり、620と同じコア機能を備えるという。

400系の最新機種となる「Snapdragon 425」は、同じくX8 LTEモデムを搭載、「Coretex-A53」を8基搭載する400系初のオクタコアで、カメラ技術ではデュアルイメージシグナル処理をサポートし、DTS-HDとDolby Digital Plusの対応によるHDマルチチャンネルサウンドなども特徴とする。性能、堅牢な接続性、電力消費の改善をマス市場にもたらすとしている。

Snapdragon 415は、425と同様に「ARM Cortex A53」を8基搭載するが、LTEモデムでは最下位にあたる下り最大150Mbpsサポート「X5 LTE」モデムをサポートする。

Qualcommは4製品共通の特徴として、LTEモデムのほか「Qualcomm Hexagon DSP」も強調している。高い処理能力を要求しないタスクに対してCPUコアを起動させずに処理する消費電力効率化技術となり、Snapdragon 800系でも利用されている。