東芝は2月16日、糖尿病が重症化する可能性が高いハイリスク者を抽出・分析し、その結果に基づく保健事業の立案、実行、効果検証までのPDCAサイクル全体を支援するサービスを健康保険組合向けに2月末日から開始すると発表した。

今回、保険者の健診データとレセプトデータを独自の手法により分析することで、糖尿病でありながら医療機関において十分な治療を受けていない、あるいは未受診であるハイリスク対象者を高精度に抽出する手法を開発した。また、透析治療、インシュリン治療、投薬治療の治療ステージごとの状態の人数変動を確率として算出し、保健事業にかかる費用を算定する手法も合わせて作成した。

さらに、開発した手法を適用し、東芝健康保険組合と共同で糖尿病ハイリスク対象者の抽出および受診推奨などの介入を行う実証を実施した。その結果、高精度にハイリスク者を抽出することで介入の効率性が高まり、約90%の介入対象者が治療を開始するとともに健診値の改善が確認できたという。

一方、厚生労働省は、全ての健康保険組合に対し、健康診査(健診)やレセプトなどの健康医療データの分析、それに基づく加入者の健康保持増進のための事業計画である「データヘルス計画」の作成・実施を義務化している。そこで今回、「データヘルス計画」を作成する健康保険組合を支援するための新サービスを開発したという。今後は、まず糖尿病ハイリスク者分析から保険者向け保健事業支援サービスに参入し対象疾病を拡大していくとともに、地域包括ケアも見据えた事業へと展開していくとコメントしている。