俳優のクリスチャン・ベールが旧約聖書の英雄モーゼを演じる映画『エクソダス:神と王』(公開中)。このたび、自身の作品としては過去最大の168億円の製作費を投じたという、リドリー・スコット監督のインタビュー映像が公開され、代表作『グラディエーター』があったからこそ、本作が完成したという秘話が明らかになった。

現場で指揮をとるリドリー・スコット監督(左から2番目)

本作の最大の見どころは、細部まで忠実に再現したリアリティに加え、最新の視覚効果と3D技術を駆使し、語り継がれてきた奇跡の映像化を実現した点。古代エジプトの壮大な風景、強大なエジプト軍との熾烈なバトル、猛威を振るう"10の奇跡"などが、壮大なスケールで描かれている。

公開されたインタビュー映像で、リドリー・スコット監督は「『グラディエーター』を製作して本当に良かった。製作前は歴史劇に対する世間の目がまだ冷たかった。スカートとサンダル姿の男に抵抗があったんだ(笑)。だが今は、古代の話に抵抗がない。『グラディエーター』が成功したおかげだと思っている」と語る。第73回アカデミー賞にて、作品賞・主演男優賞・衣裳デザイン賞・録音賞・視覚効果賞の5部門を受賞した『グラディエーター』の成功があったからこそ、本作が製作されたといっても過言ではない。

本作は、イギリスのパインウッド・スタジオで屋内のシーンを撮影した後、地中海に面したスペインでロケ撮影が行われた。ラムセスの宮殿、ヘブライの貧民街、エジプトの街並みの巨大なセットが実際に建てられ、撮影のエキストラは延べ1万5,000人。戦争シーンではカメラ17台を投入し、馬55頭、騎手48人、エキストラ300人が一堂に会し、チャリオット(戦闘用の二輪馬車)での壮絶な戦いを繰り広げた。蛇、ラクダ、ワシ、チーター、象、そして400匹のカエルなど、多くの本物の生きた動物たちも登場している。

制作関係者たちは「『グラディエーター』『ロビン・フッド』『キングダム・オブ・ヘブン』の3本を足しても本作の規模には及ばない」とコメントを寄せるほど、前代未聞の規模で撮影。そして、人類史上最古の英雄譚の映像化が実現したのだ。


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