FreeBSD - The Power To Serve

FreeBSDプロジェクトは2月3日(協定世界時)、「[FreeBSD-Announce]Changes to the FreeBSD Support Model」において、2015年中にリリースされると見られているFreeBSD 11.0-RELEASEからサポートモデルを変更すると発表した。新しいサポートモデルはブランチベースで最低でも5年間のサポートが提供される。

今回のサポートモデルの変更には、明確に長期サポートを打ち出すことでFreeBSDが採用されるシーンを増やす目的があるほか、セキュリティアドバイザリや不具合対応への迅速化、サードパーティ製ソフトウェアの最新版への移行の加速化といった目的がある。

FreeBSDはこれまでポイントリリースベースでサポートモデルを採用してきた。例えば、FreeBSD 10.0-RELEASEはリリースから1年間、FreeBSD 10.1-RELEASEはリリースから2年間がセキュリティサポートの提供期間とされている。FreeBSD 11以降は、FreeBSD 11ブランチで最低5年間のサポートが提供される。サポートされる対象は常に最新のリリースバージョンとなり、古いバージョンはサポートの対象外となる。つまり、11.1-RELEASEがリリースされた後は、11.0-RELEASEはサポート対象外となる。

サポート対象外となるまでの期間は3カ月とされており、FreeBSD 11以降は特定のバージョンを使い続けるといった運用ではなく、リリースごとに最新のリリースへFreeBSD Updateするといった使い方が想定されている。

メジャーアップグレードバージョンのリリースには最低でも2年間の期間を設けるとしており、2015年中にFreeBSD 11.0-RELEASEが公開された場合、最も短いスパンでもFreeBSD 12.0-RELEASEが公開されるのは2017年以降になる。サポートするリリースを限定することで、セキュリティアドバイザリ、修正パッチおよびアップグレードバイナリの提供をこれまでよりも迅速化する狙いがある。

また、サポートする対象を絞り込むことで、サードパーティ製ソフトウェアをより最新版へ移行しやすくする狙いもある。現在、FreeBSDプロジェクトは8系/9系/10系の各リリースをサードパーティ製ソフトウェアの対応バージョンとしている。このため、特定のソフトウェアのデフォルトバージョンを新しいバージョンへ置き換えようとした場合、8系といった古いブランチにも対応させる必要があり、バージョン移行の妨げになっている。サポートする対象を最新のリリースバージョンとすることで、こうした問題を排除する狙いがある。

FreeBSDプロジェクトは5.0-RELEASE以降、ブランチベースで見るとすでに最低でも5年間のサポート期間を提供してきた。今回、この期間やルールを明確化することで、企業などでFreeBSDを採用しやすくなると見られる。