IDC Japanは2月4日、国内SDN(Software-Defined Network)市場におけるベンダーやデータセンター事業者の動向調査結果を発表した。これによると、ベンダーごとにアプローチやユースケースに明確な差があることがわかったという。

SDN技術やアーキテクチャの導入で先行しているデータセンターネットワークにおいては、シスコシステムズのACIがポリシーをベースにアプリケーションの要件をネットワークに自動的に適用するアプローチであるのに対し、ヴイエムウェアのNSXはマイクロセグメンテーションの実現によって仮想環境下に適したセキュリティを具現化しているという。

ミドクラは、迅速に拡張性高くかつ廉価にオープンソースをベースにしたクラウド・インフラストラクチャを構築する需要にこたえるべく、OpenStackとの親和性の高いソリューションとしてアプローチしてる一方、企業ネットワークにおけるSDNの適用ではNECが先行しており、数多くの導入事例によってさまざまな企業ネットワークの課題解決にSDNが適用できることを示しているという。

利用者である一般企業の導入意向も高く、顧客層も大規模データセンターから一般企業へと拡大を始めていることが明らかになった。

企業のSDN導入/検討状況 資料:IDC Japan

コミュニケーションズ グループマネージャーの草野 賢一は、データセンターにSDNソリューションを提供するベンダーに対し、「データセンター事業者の顧客であるクラウドを利用する企業に対し、どのような利益をもたらすことができるかを強く意識したソリューション開発を進めるべき。顧客がこれまで実現できなかった、セキュリティ管理の圧倒的な効率化、物理と仮想環境のシームレスな接続の実現などがSDNソリューションには求められている」とコメントしている。