塩野義製薬はこのほど、糖尿病患者や高血圧患者、脂質異常症患者400名を対象に行った「脂質異常症に関する患者の意識・行動調査」の結果を明らかにした。調査時期は2014年6月。

「糖尿病・高血圧・脂質異常症」という病気について,あなたはどのようなイメージを持っていますか

同調査は治療実態や治療状況、生活満足度などを把握することを目的として実施している。今回は、糖尿病や高血圧を合併している脂質異常症患者(以下合併症を有する脂質異常症患者)にフォーカスし、意識や実態についての分析を行った。

脂質異常症は、そのままにしておくと血管の動脈硬化が少しずつ進み、やがては心筋梗塞や脳卒中などの合併症が起こりやすくなる。さらに、脂質異常症に糖尿病や高血圧が重なると、冠動脈疾患・脳卒中といった心血管イベントの発症率が高くなる。

まず、「糖尿病・高血圧・脂質異常症」という病気について、どのようなイメージを持っているか尋ねた。合併症を有する脂質異常症患者は、糖尿病・高血圧・脂質異常症について、各疾患とも8割以上の人が「きちんと治療をしないといけない」と考えているが、「脂質異常症は治療を中断してはいけない」のみが8割未満にとどまっている。

自身の治療目標値を知っているか尋ねたところ、「血糖値」「血圧値」を知らない人は約1割であるのに対し、「コレステロール値」の管理目標値を知らない人は3割近くも見られた。

自身の治療目標値を知っているか

自身のかかえている生活習慣病の治療についてどのように感じているか聞くと、「治療に必要なことはきっちりやっている」と答えた人は約半数にとどまった。合併症を有する脂質異常症患者の約半数は、治療にきっちり取り組めていないようだ。

.自身のかかえている生活習慣病の治療について、どのように感じているか

年代別に見ると、「前向きに治療に取り組んでいる」と答えた人は、60代は78.3%だが、50代は65.0%、40代は61.4%、30代は42.9%と、若くなるほど前向きに治療に取り組んでいる人が少ないことがわかった。

自身のかかえている生活習慣病の治療について、どのように感じているか(年代別)