米Qualcommの最新のチップ「Snapdragon 810」がSamsungのフラッグシップスマートフォン「Galaxy S」の次期版に採用されない憶測が1月末に広まったが、Qualcommは2月2日(米国時間)、Snapdragon 810に関するリリースを発表した。リリースでは、ソニーモバイル、Microsoft、Xiaomiなどベンダー5社が同チップへの支持を表明している。

Qualcommが2014年4月に発表したSoC「Snapdragon 810」は、64ビット対応プロセッサで、最大450Mpbs通信が可能なLTE-Advanced Category 9対応、サービスエリアスループットの拡大など高速な通信をサポートする。

セルラーではさまざまなLTE/3Gの周波数帯をサポートし、Wi-Fiの高速通信も可能。これに加えて、LPDDR4 RAM対応、カメラの解像度は最大55メガピクセルに拡大、4K(3840x2100ピクセル)画面、HDMI 1.4経由の4K出力などマルチメディア関連も強化している。

Qualcommは今回、研究開発および製造を担当する子会社Qualcomm Technologies(QTI)を通じてSnapdragon 810を採用する端末が60機種以上パイプラインにあることを発表した。製品名を明かしているものとして、韓LGの「LG G Flex2」、中国Xiaomiが1月に発表した最新のファブレット「Mi Note Pro」などがある。

Snapdragon 810採用についてコメントしたのは、LGとXiaomiのほか、ソニーモバイル、Microsoft、中国Oppoの合計5社。

ソニーモバイルのシニアバイスプレジデント兼最高戦略責任者、土川 元氏は声明文で、「バッテリー持続時間の長さだったり、最新の映画をみたり、ハイレゾリューションオーディオで音楽を楽しむなど、Xperiaの顧客は端末でこれまで以上のことをして、最新のコンテンツやエンターテイメント体験を得たいと思っている。ソニーモバイルはSnapdragon 810の機能に期待しており、Qualcomm Technologiesと協業して2015年後半に最新のXperiaを顧客に届けることを楽しみにしている」とコメントし、年後半に発表するXperiaの最新機種でSnapdragon 810を採用する意向を表明している。

Microsoftは、Windows Phoneベースのスマートフォン「Lumia」ラインでの採用を示唆し、「協業により、Qualcomm Snapdragon 810を搭載した最高級のLumiaの開発、そして高い処理能力、リッチなマルチメディア、高性能グラフィック、無線機能を組み合わせた前例のない製品の提供ができることを楽しみにしている」とのコメントを寄せている。

QTIで執行バイスプレジデントを務めるMurthy Renduchintala氏は、「性能、接続性、エンターテイメントの全てで妥協のない製品」が可能になるとSnapdragon 810の機能を強調した。

これらベンダーがSnapdragon 810を採用する一方で、最大手のSamsungが次期Galaxy(「Galaxy S6」)では採用されない可能性が同社の決算報告書により明らかになった。Samsungはその代わりに自社のチップを採用すると予想されている。