「高カカオチョコレートが好きな人の割合」(父親・祖父の喫食経験者)

トレンド総研はこのほど、「オトナのバレンタインに関する調査」の結果を発表した。同調査は1月7日~9日、「45歳~69歳の父親または祖父がいる」と回答した女性250名、「20歳~44歳の娘または孫娘がいる」と回答した男性250名を対象にインターネットで実施したもの。

娘・孫娘世代の女性を対象に「高カカオチョコレート」の喫食経験や支持率を調べたところ、「高カカオチョコレートを食べたことがある」という女性は71%を占め、このうち75%が「高カカオチョコレートが好き」と回答した。

父親・祖父世代の男性においては、「高カカオチョコレートを食べたことがある」という人は33%にとどまり、「これまで高カカオチョコレートを知らなかった」という人も44%にのぼった。一方で、「高カカオチョコレートを食べたことがある人」に限定すると、「高カカオチョコレートが好き」という男性は76%と、女性の支持率を上回った。

カカオポリフェノールの健康効果とは?

また、同社は「高カカオチョコレート」の健康効果について、愛知学院大学心身科学部教授の大澤俊彦氏にインタビューを実施した。大澤氏は、明治、愛知学院大学、蒲郡市が共同で行う「チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究」に携わっている。同研究は2014年11月24日、愛知県蒲郡市にて開催された市民講座「チョコレートの機能性と健康生活」にて中間報告が発表された。

大澤氏によると、高カカオチョコレートに含まれる「テオブロミン」は精神的な安定をもたらし、難消化の食物繊維「リグニン」は腸管内の残留物の排出に寄与するという。そのほかさまざまな成分により、高カカオチョコレートは健康増進に作用すると考えられているとのこと。

その中でも特に重要な役割を果たすのが、「カカオポリフェノール」だという。カカオポリフェノールには、お茶に含まれるカテキンとよく似た構造の「エピカテキン」が含まれ、同研究において「血管壁をしなやかにする」、「血圧を下げる」、「HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす」といった効果があることが認められた。これにより、カカオポリフェノールは動脈硬化を防止する効果が期待されているという。

さらに「カカオポリフェノールに期待される健康効果は、これだけにとどまりません」と大澤氏。その一つが、脳に多く存在する「DHA」への効果がある。DHAの酸化は認知症の原因になると言われているが、カカオポリフェノールには抗酸化作用があり、認知症予防の効果も期待できるという。また、体内の活性酸素により引き起こされると言われるリウマチやがん、高齢者の運動機能障害などへの効果も期待されているとのこと。

大切なのは「食べる量」

また、適量を食べることが重要だという。同研究では、被験者に毎日25g(約140kcal)ずつ、4週間にわたって高カカオチョコレートを食べさせた。その結果、被験者の体重やBMIに変化はなく、この量でも統計的に有意な健康効果があることがわかったという。

大澤氏は「日常生活の中で自然にとれるこの程度の量であれば、太るということもないでしょう」としながら、「いくら健康効果が期待される高カカオチョコレートでも、食べ過ぎは厳禁です。"適切な量を楽しみながら食べる"ということを意識してみてはいかがでしょうか」とコメントしている。