全国大学生活協同組合連合会はこのほど、2014年12月に全国10大学の生協書籍部で販売された本のベストテンを発表した。それによると、東京大学など4大学でフランスの経済学者であるトマ・ピケティ氏の著作『21世紀の資本』(みすず書房)が1位となった。

『21世紀の資本』は、東北大学、東京大学、慶応義塾大学、大阪大学で1位を獲得。同書は、パリ経済学校経済学教授、社会科学高等研究院経済学教授のトマ・ピケティ氏による著作で、経済的格差や資本の蓄積と分配といった諸問題を、18世紀にまでさかのぼる詳細なデータと明晰な理論によって解明している。2013年秋にフランスで出版されて以降、世界的なベストセラーとなり、2014年12月には邦訳が発売され、日本でも好評を得ている。

このほか、北海道大学では『地方消滅の罠』(著者山下祐介氏、筑摩書房)、早稲田大学では『会社四季報業界地図 2015年版』(東洋経済新報社)、九州大学では『農山村は消滅しない』(著者小田切徳美氏、岩波書店)がそれぞれ1位となっている。

集計対象は、北海道大学生協、東北大学生協、東京大生協、早稲田大生協、慶應義塾生協、名古屋大学生協、京都大学生協、同志社大生協、大阪大生協、九州大学生協の10生協の書籍部。このうち、京都大学は2014年7月分、名古屋大学と同志社大学は同年11月分のデータとなっている。