JR東日本仙台支社は29日、仙石線全線運転再開、ならびに仙石東北ライン運転開始日を2015年5月30日と発表した。これにともない一部区間の営業キロが変更され、運賃が現在より低廉となる区間もあるという。

仙石東北ラインの列車に使用されるHB-E210系(JR東日本仙台支社提供)

仙石線は東日本大震災で被害を受けたが、現在はあおば通~高城町間と陸前小野~石巻間が復旧(陸前小野~石巻間はディーゼル車による運転)。残る高城町~陸前小野間で、一部区間の高台移設を含む復旧工事が進められてきた。あわせて東北本線(塩釜~松島間)と仙石線(松島海岸~高城町間)が近接する区間で、両路線を結ぶ接続線の整備も進められ、仙台~石巻間直通列車を運転予定。愛称は「仙石東北ライン」に決定している。

5月30日に運転再開される仙石線高城町~陸前小野間のうち、陸前大塚~陸前小野間は新ルートとなり、東名駅・野蒜駅は高台に移転。新ルートへの移設にともない、陸前大塚~陸前小野間の営業キロは1.2km短縮(同区間の現行の営業キロは6.4km)される。

仙石東北ラインの列車は新型ディーゼルハイブリッド車両HB-E210系での運転となる。同車両はキハE200形やHB-E300系で導入されたディーゼルハイブリッドシステムを搭載し、2両編成を8編成新造する予定。先に新潟地区でデビューしたE129系をほうふつとさせる外観となった。1両あたり片側3ドアで、車内照明はオールLED化される。

(画像左から)東名駅・野蒜駅の新駅舎イメージ(JR東日本仙台支社提供)

仙台支社管内では3月21日、石巻線浦宿~女川間も運転再開予定。女川駅の移設により、同区間の営業キロは現行の2.5kmから2.3kmに短縮される。今回の発表で、石巻線の他に仙石線・仙石東北ラインについても、3月14日のダイヤ改正に合わせて営業キロ変更にともなう新たな運賃計算ルートが適用されるという(仙石東北ライン経由の定期乗車券など、一部乗車券は開業日以降に発売)。仙石東北ラインの列車が通過する新設の接続線は営業キロ0.3km。実際のルートとは異なり、松島駅経由で運賃計算が行われる。

これにより、仙台~高城町間の営業キロは現行の仙石線経由で25.0km、仙石東北ライン経由で23.7kmに。仙台~矢本間においては、現行のきっぷ運賃760円・IC運賃756円から、きっぷ運賃670円・IC運賃669円へ変更される。仙台~石巻間はきっぷ運賃840円・IC運賃842円、仙台~女川間はきっぷ運賃1,140円で、現行の運賃と同一となる。

なお、仙石線全線再開および仙石東北ライン開業後の運転時刻・本数など、詳細については「決定次第、改めてお知らせいたします」(仙台支社)とのこと。