今年度のアカデミー賞で6部門にノミネートされ、クリント・イーストウッド監督作品史上最大のヒット作となった『アメリカン・スナイパー』(2月21日公開)の90秒の本予告映像が29日、公開された。

実在したスナイパーの半生を描いた『アメリカン・スナイパー』

本作は、米海軍特殊部隊ネイビー・シールズの元隊員で、米軍史上最強とうたわれた伝説のスナイパー、クリス・カイルの半生を描いた作品。全米興行収入は2億ドル(240億円)を突破し、『グラン・トリノ』の興行記録を更新して、84歳にしてイーストウッド監督作史上最大のヒット作となった。公開された本予告は、戦争により心がむしばまれていくクリス・カイルの葛藤や、幼い子供にまで銃口を向けなければならない戦争の現実と狂気が伝わる映像となっている。

イーストウッドは「これまでに戦争を扱った映画を作ったが、このストーリーはクリスの功績と、人生の個人的な側面が、どう交わるかを描いている。戦争がひとりの人物に与えるダメージが明らかになるが、家族全体に与えるプレッシャーも描かれている」と説明し、「このストーリーを語ることが、特に意味深いものだと思った」と本作に込めた思いを告白。

心の病に悩む元兵士により2013年2月2日に射殺されたクリス・カイルと、その直前に直接電話で話をしていた、主演兼プロデューサーのブラッドリー・クーパーも「これは従軍経験者のほとんどが乗り越えなければならない状況を描いた普遍的なストーリーなんだ。彼らは刻々と変化する緊迫した戦場にいたのに、帰国すると突然"普通の日常"に引き戻される。僕はそこにとても心を動かされた。僕はこれが戦争映画というよりは、人物を検証している映画である点が気に入っている」と語る。

第87回アカデミー賞では、作品賞・主演男優賞・脚色賞・録音賞・編集賞・音響編集賞の計6部門にノミネートされた本作。先日行われた米一般市民2,385人を対象にしたネット調査では、本作『アメリカ・スナイパー』が本年度アカデミー賞「作品賞」受賞に最もふさわしいと22%が回答し、候補作の中でダントツの1位となっている。


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