Vivaldi - A new browser for our friends

かつてノルウェーから米国まで大西洋を泳いで渡ると豪語したCEOがいる。それは、2005年4月時点で、Opera SoftwareのCEOを務めていたJon S. von Tetzchner氏だ。同氏は公開から4日間以内にOpera 8のダウンロード総数が100万に到達したら、ノルウェーから米国まで一気に泳いで渡ると発表した(ただし、途中で母親のところによってホットチョコレートだけは飲んでいくと説明)。

このアピールは見事に功を奏して100万ダウンロードに到達し、同氏はもう一芝居打つことになる。事の顛末はこちらを読んでもらればと思うが、このエピソードはJon S. von Tetzchner氏がどういった人物であるのか知るには十分なものだ。

Operaの顔として長らくCEOを務めたTetzchner氏だが、2011年には取締役会や経営者と価値観が一致しないという理由からOpera Softwareを退社。あれから3年半、ついにJon S. von Tetzchner氏が新しいブラウザをひっさげて帰ってきた。彼らのチームが新しく開発したブラウザの名前は「Vivaldi」。現在、テックプレビュー版が公開されている。サポートするオペレーティングシステムはWindows、Mac OS X、Linux。

Vivaldi動作例

Vivaldi動作例

Vivaldi動作例

Vivaldi動作例

Vivaldi動作例

Vivaldi動作例

Vivaldi動作例

Vivaldi動作例

Vivaldi動作例

Vivaldi動作例

「Vivaldi」はChromiumをベースのソフトウェアとして採用し、そこにまるでOperaから持ってきたような機能を追加するといった作りになっている。デザインは現在リリースされている主要ブラウザの中で最もシャープでスッキリしており、ほかの主要ブラウザが持っていないユニークな機能を備えている。いくつかの機能は実装されていないが、すでに動作は安定しており、実用性の高さを感じさせる。

現在の主要ブラウザは機能もUIもどんどん似たものになりつつあり、差を感じることが難しくなってきている。かつて、Webブラウザはそれぞれ特徴を持っていた。例えば、 Tetzchner氏が大西洋を渡ろうとした当時のOperaには突き抜けた性能と機能があり、ヘビーユーザーやギークが愛してやまないブラウザだった。

「Vivaldi」にはその当時、Tetzchner氏が持っていた情熱やユーモアのようなものが感じられる。今後、メール機能も追加されるようだが、今の主要ブラウザで今から新しくメール機能を統合しようとするものはない。「Vivaldi」にはTetzchner氏や彼のチームが持っている情熱が感じられ、発展が楽しみなプロダクトと言える。