日本銀行は26日、2014年12月18~19日に開催した金融政策決定会合の議事要旨を発表した。それによると、同年10月末の追加金融緩和について、大方の委員が原油価格の下落そのものに対応したものではない、と主張していたことがわかった。

会合では、原油価格の下落と金融政策運営の関係について、何人かの委員が追加緩和は「原油価格の下落そのものへの対応と市場の一部で受け止められており、その後の原油価格下落を受けて追加緩和を予想する声も聞かれる」と指摘。それに対して、大方の委員が追加緩和は「原油価格の下落そのものに対応したものではなく、デフレマインドの転換が遅延するリスクの顕現化を未然に防ぐために実施した」と主張した。

また、ある委員は「今後の金融政策運営を考えるうえで重要なのはあくまで物価の基調的な動きであり、広い意味での予想物価上昇率の動向がポイントになる」と述べた。

物価面については、多くの委員が「原油価格の下落が、今後しばらく、物価の下押し圧力として働く」と考えており、このうち何人かの委員は、消費増税の影響を除いた消費者物価の前年比が、2015年前半にかけて「1%を下回って推移する可能性がある」と指摘。ただし、多くの委員は「やや長い目で見れば、需給ギャップの改善を通じて基調的な物価の押し上げ要因になる」との見方を示した。