ルネサス エレクトロニクスは1月26日、32ビットマイコン「RXファミリ」のフラグシップ製品で、CPU動作周波数が240MHzの「RX700シリーズ」の第1弾製品として、最大4MBのフラッシュメモリを内蔵した「RX71Mグループ」を発表した。

同製品は、CPUの動作周波数を従来の2倍となる240MHzに向上させている他、パッケージの端子数は100~177ピン、内蔵フラッシュメモリサイズは2~4MBの計112品種がラインナップされており、IoT(Internet of Things)/M2M(Machine to Machine)化の進む産業機器のスケーラブルなプラットフォーム展開に最適なマイコンを同一アーキテクチャ、互換性を持つ「RXファミリ」から選択可能となり開発期間・開発費の削減に貢献する。

また、産業機器のIoT化に伴う通信インタフェースの多様化、高機能化と、それに伴う開発のグローバル化により重要度の高まる開発段階からのコードデータ秘匿性の確保と不正コピー防止機能を拡充した。従来は内蔵フラッシュメモリに格納したコードを外部からの読み出しから保護する機能があり、開発完了後のコードを漏洩から保護することが可能だった。これに対し、同製品では、開発段階においても、重要なアルゴリズムを漏洩や不正コピーから保護する独自のTrusted Memory機能を搭載。内蔵フラッシュメモリなど、マイコン内部からも一部特定領域にあるコードの読み出し(コピー)を不可能とし、命令実行のみを可能とする。同機能により、海外開発拠点や他社との共同開発においてもコア技術となるソフトウェアを開示することなく開発が可能となる。

さらに、最先端40nmフラッシュプロセスを用いた120MHz動作可能な高速フラッシュメモリと独自のキャッシュベースのメモリ制御技術であるAdvanced Fetch Unit(AFU)搭載により、240MHz動作時のノーウェイトアクセス相当の動作を可能とし、キャッシュミス時もわずか1サイクルのペナルティによりフラッシュメモリのみで高いリアルタイム性能を確保する。また、内蔵メモリはクラス最大の4MBのフラッシュメモリと、512KBのパリティチェック可能なユーザRAM、32KBの1bitエラー訂正2bit検知可能なECCRAMを内蔵しており、外部の高速SRAMを削減することが可能となる。そして、「RX71M」では、これら内蔵メモリを無駄なく有効活用することができ、最大45%のBOMコスト低減が図れる。

なお、サンプル出荷がすでに開始されており、量産は2015年6月より開始する。その後、2016年5月には月産50万個体制の構築を計画している。

産業機器向けに大容量メモリを搭載した32ビットマイコン「RX71Mグループ」