日本貿易振興機構(JETRO)はこのほど、2014年度の「在欧州日系企業実態調査」の結果を発表した。それによると、将来有望な販売先としてトルコがロシアを上回ったことがわかった。

在欧州日系製造業に今後1~2年の事業展開を尋ねたところ、「拡大」と回答した企業は前年比2.8ポイント増の52.7%となり、リーマン・ショックや欧州債務危機が発生する以前の水準(2007年52.7%)まで回復したことが判明した。

今後1~2年の事業展開の方向性(製造業)(出典:日本貿易振興機構Webサイト)

将来有望な販売先を聞くと、1位はトルコで294社。近年、製造業では欧州を拠点としてトルコなど周辺新興国へ販売展開する動きが見られるという。以下、2位は前回1位のロシアで243社、3位はドイツで190社と続いた。このほか、南アフリカ共和国やアラブ首長国連邦などでも拡大基調にあるという。

将来有望な販売先(出典:日本貿易振興機構Webサイト)

2014年の営業利益見通しは、「黒字」が70.1%、「均衡」が17.0%、「赤字」が13.0%。2014年の売上高見通しは、「売上高増」が68.9%、「売上高減」が31.1%で、中でも中・東欧、トルコの「売上高増」は78.3%に達した。

欧州経済の先行きについては、「すでに景気後退から抜け出した」は11.9%にとどまった一方、「景気後退から抜け出すのにまだ時間がかかる」は67.4%に上り、依然として慎重な見方が多いことが浮き彫りになった。

調査期間は2014年10月14日~11月14日、有効回答は在欧州日系企業984社。