アジレント・テクノロジーは1月22日、フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)を用いたフタル酸エステルの迅速測定パッケージ「Agilent 4500ポリマーパッケージ」を発表した。

フタル酸エステルは、ポリ塩化ビニルなどの可塑剤として広く用いられているが、発がん性や内分泌かく乱物質としての作用など、健康への影響が指摘されている。そのため、フタル酸エステルの一部には子ども向け玩具または育児用品への使用量制限が設けられており、その使用量は0.1%を超えてはならないとされている。

「Agilent 4500ポリマーパッケージ」は、3回反射ATRインタフェースを搭載したバッテリ駆動のFTIRシステム「Agilent 4500」、ポリマーライブラリ、PVC内のフタル酸エステルの分析に特化した独自のメソッドがパッケージされたものである。利用することで、数秒でポリマーの化学的組成を非破壊で測定することができる。ポリ塩化ビニルの場合、フタル酸エステル含有量を正確に測定する。また、独自のメソッドにより、さまざまな充填剤や添加物が存在する場合であっても、フタル酸エステルの総含有量を0.1%レベルで測定することが可能となっている。

なお、多岐にわたるポリマーに対応したフタル酸エステル測定用のメソッドも今後ラインナップされ、同パッケージに簡単に追加できるという。

FTIRを用いたフタル酸エステルの迅速測定パッケージ「Agilent 4500ポリマーパッケージ」