台湾映画『KANO~1931 海の向こうの甲子園~』のジャパンプレミアが15日、都内で行われ、出演者の永瀬正敏、坂井真紀、ツォア・ヨウニンらが出席した。実在した近藤監督を演じた永瀬は、この日、日本に来ることができなかった生徒役の面々からの手紙を受け取り、「こんな素晴らしい台湾映画に出演させていただいて、本当にうれしく思っています。こんなに温かな子どもたちに……」と感涙にむせんだ。

台湾映画『KANO~1931 海の向こうの甲子園~』のジャパンプレミアに登場した永瀬正敏

本作は、1931年の日本統治時代の台湾に実在し、台湾から甲子園に出場して決勝まで勝ち進んだ伝説のチーム・嘉義農林学校野球部『KANO』の軌跡の実話を映画化したもの。実在する人物を演じる上で永瀬は、「近藤監督の教え子や孫弟子さんなど、人を介して監督の人となりと練習方法をお聞きして撮影に挑みました」と役作りをしたことを明かし、5か月間にも及ぶ撮影を経て絆が生まれたそうで、「こういうイベントがなくなると、みんなと会う機会が少なくなっていくのがとっても寂しいです。スタッフやキャストの皆さんだけではなく、台湾の観客も暖かく迎えてくれて感謝しています」と親日家が多いといわれる台湾人の印象を語った。

また、日本統治時代を生きた日本国籍の台湾人にも会ったそうで、「そういう人たちが片言ですけど、未だに日本語で話しかけてきてくれて、心の大きさに感動しましたし。色々と考えるところはありますが、嬉しかったですね」と振り返り、永瀬の妻役を演じた坂井は「私たち日本人にとても親切にしてくださることが、あらゆるところで感じて感動しました」と笑顔を見せた。

本作に出演している野球部員はすべて野球経験者だそうで、21歳以下の台湾代表として出場した昨年のワールドカップで台湾代表を優勝に導き、大会ベスト9にも選ばれた実力を持つヨウニンは、「台湾代表に選ばれたのは、『KANO』に出て人気があったからではないかと自分を疑ったときがありました」と不安だったそうだが、「この映画でしっかり演じれたことと、小さいころから野球を頑張ってきたことが、僕に自信を取り戻させてくれました」と胸を張った。

このほか、同イベントには出演者のチェン・ジンホン、マー・ジーシアン監督、ウェイ・ダーションプロデューサー、主題歌を担当したRake、中孝介が出席。映画『KANO~1931 海の向こうの甲子園~』は1月24日(土)より新宿バルト9ほかで全国公開。