TOTOは日本在住の外国人600名(10の国と地域)を対象に、「外国人のトイレに関するアンケート」を実施した。調査期間は2014年9~10月。

日本の公共トイレで困ったこと

まず、日本の公共トイレは自国の公共トイレと比べて清潔だと思うか聞いたところ、93.6%が「清潔だと思う」と回答した。多くの外国人が清潔さにおいて好印象を持っていることが分かる。

日本の公共トイレは自国の公共トイレと比べて清潔だと思いますか?

続いて、日本の公共トイレで困ったことについて尋ねたところ、最も多い回答は「和式トイレの使い方が分からなかった」(26.7%)だった。和式トイレには日本独特の「金かくし」があるなど、諸外国のしゃがみ式トイレと異なる点も多い。「(使う)向きが分からない」(イラン・女性)、「便器に座ってしまうかも」(アメリカ・男性)」などの声も寄せられている。

2位は、「さまざまな操作ボタンの役割が分からなかった」(25.7%)、3位は「温水洗浄便座の操作方法が分からなかった」(18.5%)だった。上位は操作性に関する点が多くを占めている。

また、「日本語表示しかなかった」という回答も多かった。具体的に困った点を聞くと、最も多い回答は「さまざまな操作ボタンの役割が分からなかった」(62.1%)だった。「かっこいいけどボタンが多すぎる」(インドネシア・男性)、「日本語が読めないからイラスト付きボタンがいい」(フランス・女性)といった声も挙げられた。

日本の公共トイレで日本語表示しかなくて困った理由

訪日当初に日本の公共トイレで困った経験のある施設を尋ねたところ、「不満を感じた施設はない」という回答が最も多かった。一方、「駅」と「公園」では、いずれも約3割が困った経験があると回答している。外国人が戸惑う和式トイレは駅に設置されているケースも多いことから「駅がほぼ和式トイレで困った」(アメリカ・女性)といった声もある。

訪日当初に日本の公共トイレで困った経験のある施設

訪日当初に、日本の公共トイレに洋式トイレと和式トイレがあったとき、主にどちらを選択したかという問いでは、「洋式トイレ」(83.3%)という回答が圧倒的に多かった。洋式トイレを選んだ理由として3割以上が「温水洗浄便座がある」と回答しており、外国人にも温水洗浄便座に対する支持が広がっていることがうかがえる。

※調査対象…日本在住の20歳以上の外国人。10の国と地域(韓国・台湾・中国・香港・アメリカ・フランス・イギリス・タイ・マレーシア・インドネシア)の出身者