マツダはこのほど開催された「東京オートサロン 2015 with NAPAC」に、4代目となる新型「ロードスター」を参考出品した。トークステージではマツダ商品本部主査の山本修弘氏らが登壇し、同車への思いを語った。

東京オートサロンのマツダブースに展示された新型「ロードスター」

山本氏は2代目「ロードスター」から開発に携わり、3代目モデルが発売された後の2007年から開発主査を務めている。それから4代目モデルの発売までに約7年を要したことに関して、「本当はもっと早く出る予定だったのですが、2008年のリーマン・ショック以降、マツダ社内で新車開発の順番が見直され、ロードスターは発売を遅らせることになりました。でも時間がかかった分、結果的に良かったのではないかと思います」と明かした。

新型「ロードスター」は現行モデルと比べて、全長が100mm程度短くなっているという。山本氏とともにトークステージに登壇したマツダのデザイン本部チーフデザイナー、中山雅氏は、「ロードスターにおいても、海外で『クルマを大きくしてほしい』とのニーズはありました。そこで我々が挑戦したのは、『遠くから見ると大きい・近くで見ると小さくてかわいい』というデザインでした」と説明。これに山本氏が補足し、「でも人が座る部分は小さくしていないんです。(初代モデル発売から)25年間で人の体格が大きくなっていることも踏まえ、デザインされています」と述べた。

東京オートサロン最終日の午後に行われたトークステージでは、新型「ロードスター」の「東京国際カスタムカーコンテスト」優秀賞受賞を祝う場面も

新型「ロードスター」のエンジンルームやタコメーターが映し出される

エンジンルームも公開され、「ロードスターは伝統的にフロントミッドシップレイアウトを採用しており、4代目でも踏襲されます」と山本氏。続けて中山氏が、「エンジンの位置が後ろに下がり、ボンネットの先端を低くできました。おそらく世界で一番短く低いオーバーハングのクルマだと思います」と述べた。ただし、ヘッドランプの位置や形状には苦労したようで、「よく『目が細い』と言われるのですが、低く短いノーズを実現するため、ランプも必然的にこの形状になりました。でも実物を見たら、目が細いという印象はなくなるはず。下から見ると、ニコッと笑っているような表情になります」(中山氏)とのことだった。

新型「ロードスター」では、「SKYACTIV-G」ガソリンエンジンを搭載することが発表されているが、詳細なスペックについてはいまだベールに包まれた部分が多い。「具体的な数字は先入観を持たれてしまうので言いたくないんです。このクルマに関しては、『運転して楽しい』という感覚を持ってもらうことのほうが大事。それを数字で表すのは難しく、発売までイメージを膨らませていただけたらと思います。走りに関しても、いい意味で期待を裏切る出来になったと確信しています」と山本氏は話していた。

新型「ロードスター」の発売予定時期は今年6月以降と発表されている。いち早く予約したいとの要望も多いことから、先行予約の受付も検討中だという。なお、同車は東京オートサロン出展車両の中から選ばれる「東京国際カスタムカーコンテスト」において、コンセプトカー部門で優秀賞を受賞した。