米Intelは5日(現地時間)、次期主力CPUアーキテクチャ「Broadwell」(開発コード名)をベースとした新CPUである第5世代Intel Coreプロセッサを正式発表した。現地時間6日から開催する「2015 International CES」(CES 2015)では、主要PCベンダから新CPUを搭載した製品の発表が期待される。

第5世代Intel Coreプロセッサは、最新の14nm製造プロセスを採用したCPU。Broadwellベースでは、2014年9月に発表した2 in 1デバイス向けの「Core M」(Broadwell-Y)に続く製品となる。今回新たに発表されたのは、型番に"U"が付く低電圧モデル(Broadwell-U)で薄型ノートPCやオールインワンPCなどをターゲットとする。

2 in 1をターゲットとする「Core M」よりも、もう少しハイパフォーマンスな薄型ノートPCや一体型PC向けの製品となる

SKUはTDP15WでグラフィックスにIntel HD Graphics 5500/6000を統合した製品が10モデル、TDP28WでグラフィックスにIntel Iris Graphics 6100を統合した4モデルの合計14モデルをラインナップする。いずれもCPUコアは2コアでHyper-Threadingに対応する。

また、これに加えてPentiumブランドで1モデル、Celeronブランドで2モデルをそろえる。

第5世代Coreプロセッサ(TDP28W)
型番 コア/スレッド クロック(ベース/ブースト) メモリ(LPDDR3/DDR3) 統合GPU キャッシュ 価格(米ドル)
Core i7-5557U 2/4 3.1GHz/3.4GHz 1866/1600 Iris 6100 4MB 426
Core i5-5287U 2/4 2.9GHz/3.3GHz 1866/1600 Iris 6100 3MB 315
Core i5-5257U 2/4 2.7GHz/3.1GHz 1866/1600 Iris 6100 3MB 315
Core i3-5157U 2/4 2.5GHz/ - 1866/1600 Iris 6100 3MB 315
第5世代Coreプロセッサ(TDP15W)
型番 コア/スレッド クロック(ベース/ブースト) メモリ(LPDDR3/DDR3) 統合GPU キャッシュ 価格(米ドル)
Core i7-5650U 2/4 2.2GHz/3.1GHz 1866/1600 HD 6000 4MB 426
Core i7-5600U 2/4 2.6GHz/3.1GHz 1866/1600 HD 5500 4MB 393
Core i7-5550U 2/4 2.0GHz/2.9GHz 1866/1600 HD 6000 4MB 426
Core i7-5500U 2/4 2.4GHz/2.9GHz 1600/1600 HD 5500 4MB 393
Core i5-5350U 2/4 1.8GHz/2.9GHz 1866/1600 HD 6000 3MB 315
Core i5-5300U 2/4 2.3GHz/2.7GHz 1600/1600 HD 5500 3MB 281
Core i5-5250U 2/4 1.6GHz/2.5GHz 1866/1600 HD 6000 3MB 315
Core i5-5200U 2/4 2.2GHz/2.5GHz 1600/1600 HD 5500 3MB 281
Core i3-5010U 2/4 2.1GHz/ - 1600/1600 HD 5500 3MB 281
Core i3-5005U 2/4 2.0GHz/ - 1600/1600 HD 5500 3MB 275
Pentiumプロセッサ
型番 コア/スレッド クロック(ベース/ブースト) メモリ(LPDDR3/DDR3) 統合GPU キャッシュ 価格(米ドル)
Pentium 3805U 2/2 1.9GHz/ - 1600/1600 HD Graphics 2MB 161
Celeronプロセッサ
型番 コア/スレッド クロック(ベース/ブースト) メモリ(LPDDR3/DDR3) 統合GPU キャッシュ 価格(米ドル)
Celeron 3755U 2/2 1.7GHz/ - 1600/1600 HD Graphics 2MB 107
Celeron 3205U 2/2 1.5GHz/ - 1600/1600 HD Graphics 2MB 107

プロセスの微細化により、前世代「Haswell-U」(開発コード名)と比較して、トランジスタ数は35%増増えた一方で、ダイサイズは37%縮小した。また、パフォーマンスは、3Dグラフィックスの性能で最大22%、動画変換で最大50%、オフィスにおける生産性で最大4%の性能向上が得られるほか、最大で1.5時間のバッテリ駆動時間の延長が見込めるとしている。

プロセスが14nmへとシュリンクし、トランジスタ数が増えつつもダイサイズは縮小した。前世代と比較してもパフォーマンスは向上しつつ、バッテリ駆動時間が増えている

上位モデルのダイ。グラフィックスの面積が大きい

前世代との消費電力比較

4年前のシステムと性能を比較。主にグラフィックス系で大きくパフォーマンスが伸びている

また、前世代のHaswellから引き続きグラフィックス機能を強化。DirectX 11.2やDirectX 12、OpenGL 4.3、OpenCL 2.0といったAPIへの対応に加え、Intel WiDiでの4K出力、VP8やVP9、HEVCのデコードをサポートする。

ゲームプレイや動画編集といった機能も強化する

このほか、RealSense技術や声による操作を用いた次世代ユーザーインタフェースの対応などが行われる。

RealSense技術や声による操作を用いた次世代ユーザーインタフェースにも今世代から本格的に対応する

なお、Intelでは第5世代Intel Coreプロセッサの展開として、2015年1月末にvPro対応モデル、2015年中盤にハイパフォーマンスノートPCやデスクトップ向けモデルを投入する予定だとしている。

デスクトップPC向けの第5世代Coreプロセッサも気になるが、2015年中盤としばらくおあずけとなる