東京都・銀座のギャラリー小柳では、「UNSOLD - 杉本博司/ソフィ・カル/青柳龍太」を開催している。開催期間は2015年1月31日まで(日月祝と12月13日は休廊、12月27日~1月12日は冬季休廊)、開場時間は11:00~19:00、入場無料。

左から杉本博司、ソフィ・カル、青柳龍太 Courtesy of Gallery Koyanagi

同展では、奇妙な縁で出会った杉本博司、ソフィ・カル、青柳龍太というアーティスト3人が2013年3月17日、秘密裏に靖国神社の蚤の市に参加し、そのときの売れ残りをそれぞれ陳列し、ギャラリー空間にインスタレーションとして再現している。

"ソフィの陳列は、中古品で構成され、由来書きは無く、「本当の話」のエピソードを書き、それにリンクした物を並べた。10点を108,500円で売り、13点は売れ残った。 杉本の陳列は、本物の古物と彼の作品ひとつで構成され、それぞれに由来書きを付けたが、それはまゆつばの由来ばかり。4点を67,000円で売り、12点は売れ残った。 龍太の陳列は、彼が蚤の市でいつものように扱っている骨董ともインスタレーションとも思えるスタイルで、それにまつわる説明は全く無し。9点を740,000円で売り、10点は売れ残った。 午後になって、グループを引き連れたアメリカ人のガイドが私たちの前を通りがかり言った。「ここは、見る価値はなさそうだ」"

なお、杉本博司やソフィ・カルといえば国際的に活躍する著名な現代美術作家だが、本人たちの弁によるいつもとは少し変わったプロフィールを紹介しておこう。

「杉本博司は1948年、台東区御徒町生まれ。1970年、美術家を志し渡米。1978年、名門ソナベント・ギャラリーに属すれど食えず、1980年に骨董屋「みんげい」を始める。当時、日本全国の蚤の市を巡る。1995年のメトロポリタン美術館での個展以後、作品で食えるようになるも長年の習性はぬけず古物を買い漁り今に至る。

ソフィ・カルは1953年、フランス・パリ生まれ。10代の終わりから7年もの間、放浪生活を送り、26歳でパリに戻る。その頃より制作を始め、1980年より展覧会へ出品。自らの体験をもとに事実とフィクションを織り交ぜ、テキストと写真、映像を組み合わせたインスタレーション作品を制作している。

青柳龍太は1976年、大阪生まれ。ラサール高校卒業後、美術家を志し多摩美術大学に進学。2005年よりコンセプチュアルなインスタレーション作品の発表を開始。2010年より神楽坂にて骨董、ガラクタ、オブジェを展示、販売する店を始める」