いよいよ年越しが目前に迫ってきた。ただ、師走の忙しさで「疲れ顔」になっている人も少なくないだろう。そんなときは、しっかり睡眠をとって疲労回復することが大切だ。

だが、それとは別にもうひとつ注目してほしいのが、最近女性誌などでも取り上げられている「血管美容」。血管をしなやかに美しく保つことが、美肌やアンチエイジング効果にもつながるという考え方だ。

美しい肌を保つために注目されているという「血管美容」を紹介しよう

血管年齢は見た目にも影響する

血管も肌同様、年齢とともに老化して柔軟性がなくなり、硬くなっていく。若々しい血管は、しなやかに伸び縮みをする。一般的に、血管年齢が実年齢よりも若い人は肌も美しく、見た目年齢も若い場合が多いのだ。

また、最近の研究ではシミと血管の関係もわかってきている。愛媛大学の研究調査によると、中高年では動脈硬化(血管の老化)が進んだ人ほど、シミが大きく出ることが判明している。

血管老化(動脈硬化)は、死につながる

血管老化、すなわち動脈硬化は放っておくと、シミやシワという見た目だけでなく、さまざまな病気につながる。例えば脳梗塞や脳内出血、くも膜下出血、大動脈瘤(りゅう)、心筋梗塞、狭心症などが該当する。他にもまだまだあるが、ここに挙げたものだけでも、一歩間違えば死に直面してしまう病ばかり。動脈硬化予防は、早い時期から意識しておくことが肝心なのだ。

■高血圧な人

■喫煙習慣がある人

■太っている人

■暴飲暴食をする人

■睡眠時間がきちんと確保できない人

■ストレスがたまっている人

■性格的に真面目できちょうめんな人

これらの項目に該当する人は、動脈硬化が進んでいる、もしくは進みやすいタイプなので、今から対策を考えるようにしよう。

血管を若返らせるには、タバコを吸う人は禁煙が必須。太っている人は、体重を落とすことで高血圧のリスクなども低減できる。さらに、睡眠時間の確保や塩分過多ではない食生活の見直しなど、生活改善が必要になってくる。

生活改善+NOアップが「血管美容」への近道

それらの生活改善とは別にもうひとつお勧めなのが、「NO」を増やすということだ。NOとは一酸化窒素のこと。血管内の血管内皮細胞という部分から分泌され、血管を拡張させることで、血管内のこぶや炎症、血栓ができるのを予防する働きがあると言われている。現代人は運動不足やストレスなどで、このNOの分泌が悪くなっていることが多い。

生活改善とともにNOアップの対策をすることが、しなやかな血管、すなわち「血管美容」へとつながるのだ。そのための方法を3つ紹介しよう。

対策1 座らない習慣を身につける

デスクワークに伴う運動不足は、血行を悪くさせる原因となる。NOをアップさせるには、大きな筋肉が多い下半身の筋肉を使うことが大事。電車やバスではすぐに座らず、立つ習慣をつけるといいだろう。また、ウオーキング習慣もNOアップに効果的なのでトライしてみてほしい。

対策2 "ジンジン"を感じる「手クロス体操」でNOアップ

NOは、圧迫して脱力したときに起こるジンジンする刺激にも反応して分泌する。 簡単にこのジンジンを実感できるのが「手クロス体操」だ。じゃんけんのグーとパーを、体と手といっしょに行うこのエクササイズは、オフィスでも簡単にできるのでお勧めだ。(1)両手を広げてもぶつからない場所で、両足を軽く開いて立つ。(2)じゃんけんのグーをイメージする。両手はグッと握って、両腕をクロスにして胸で抱え込む。このとき、おへその下にグッと力を入れる。(3)次に、じゃんけんのパーをイメージして両手を開いて、腕も斜め下に脱力しながら気持ちよく開く。(4)(2)と(3)を繰り返す。1セットを3~5分として、1日に3セットぐらい行うようにしよう。

対策3 「ときめき」でNOを増やす

NOは、メンタルの動きでも反応する。その中でも、最も効果的なのは「ときめき」だ。好きな人を見てドキッとすると、交感神経の働きで血管が収縮する。同時に末梢神経の血流が低下する。その後、好きな人のすてきな笑顔を見てホッとすると、今度は副交感神経が働く。すると血管が拡張し、末梢の血流がアップする。この「ドキッ」と「ホッ」という2つが上手にかみあうと、血管内皮細胞からNOを増やしてくれるというわけだ。好きな人でなくても、憧れの人や好きなアイドル・俳優が対象でもOKだ。心ときめくドラマや映画を見るのもいいかもしれない。ただ、嫉妬心や不安感が募ると、交感神経が優位に働いて緊張が続き、血管に悪影響を与えてしまう。いいときめき、いいドキドキが大事なのだ。

からだエイジング