労務行政研究所は10月7~21日、民間企業から抽出した人事労務担当者を対象に、新指針への対応と考え、採用手法の現状と今後、自社の課題、人事からキャリアセンター・学生への要望などについて調査を実施した。集計社数は283社。

経団連の「採用指針」の遵守意向と採用担当者個人の考え

企業の意向は「広報・選考ともに遵守する予定」が半数

企業として経団連から示された「採用指針」の遵守の意向を聞くと、「広報・選考ともに遵守する予定」が44.2%と最も割合が高かった。2位は「広報は遵守し、選考は遵守しない予定」(38.2%)、3位が「どちらも遵守しない予定」(8.5%)となっている。

続いて、人事担当者個人の考えを尋ねたところ、「早めに広報活動を行い、学生と接触し、選考を行う」という早期広報・早期選考型が32.2%で最も多かった。次いで「指針に示された時期にとらわれず、独自に活動する」という独自スケジュール型が27.6%で、両者を合わせると約6割に上る。「指針に沿って活動する」という完全遵守型は25.1%だった。

企業としては「遵守意向」を持ちつつも、採用担当者としては「早期広報・早期選考」や「独自のスケジュール」で活動したいという本音がうかがえる。

拡大・充実するという施策は「大学の説明会・セミナー」

また、現在実施中で、さらに「拡大・充実」するという施策としては、「大学で開催される会社説明会・セミナー」が45.6%で半数を占めた。次いで「自社での対面による会社説明会・セミナー」(34.3%)、「ターゲットとする大学群への広報・選考」(25.8%)という結果になった。

2016年新卒採用における広報活動・採用手法の見直し

就職活動中あるいはこれから就職活動を行おうとする学生に対して、人事担当者として期待すること、あるいは身に付けてほしいことについて聞くと、上位3項目は、「コミュニケーション能力」「その企業に対する熱意・働く意欲」「働くことの意義や職業観の探求」だった。