東京都・竹芝のGallery 916では、アムステルダムとニューヨークを拠点に活動しているオランダ人写真家 シャルロット・デュマの個展「ANIMA」を開催している。開催期間は12月28日まで(祝日を除く月火は休廊)、開場時間は11:00~20:00(土日祝は18:30まで)、入場料は一般800円、学生500円。

Trooper, Arlington VA 2012年 (c)Charlotte Dumas

Ringo, Arlington VA 2012年 (c)Charlotte Dumas

同展は、現代社会における人間と動物の関係性をテーマに扱い、これまでに警察馬や救助犬、動物園で飼育されている動物など、さまざまなシチュエーションの動物を被写体としたポートレイト作品を発表してきたシャルロット・デュマの日本では初となる個展。

米国兵士たちを埋葬するアーリントン国立墓地で、馬車馬として戦闘に駆り出されることもなくなり、兵士たちを永眠の場所へ運ぶという栄誉ある務めを粛々と行っている馬たちを捉えたシリーズ「ANIMA」より、大判プリント17点と映像作品1点を紹介している。

また、個展に際してシャルロットは「人々の暮らしにおいて彼らが取り持っていた役割やその姿は、時代の移り変わりのなかで、徐々に消えてゆく運命にある。実用性の面でも、彼らは必要不可欠な存在ではなくなってしまった。しかし動物たちの存在は、その役割だけで語ることはできない。(中略) 私は、生存し繁栄するために寄り添う人間と動物、その間に存在する共存関係に魅かれる」と語っている。

さらに、「アーリントンの馬たちを、彼らの仕事が終わったあとに一頭ずつ撮影した。私とカメラの前で眠りについてゆく彼らの無防備さと、彼らが意識を失い眠りに落ちてゆく様子を写し取った。馬たちと時間を共にしながら、私は彼らの最も親密でプライベートな瞬間に立ち会っているのだと感じた。覚醒とまどろみの隙間、夢と幻想のただよう空間のなかで」と、撮影当時の様子について振り返る。

なお、「Gallery 916」は2012年に竹芝の鈴江倉庫にオープンした写真ギャラリー。写真家の上田義彦がキュレーターとなり、600平米もの広大なスペースを活用した新しい写真体験の場を創出している。