アンリツは12月15日、米Qualcomm Technologiesとの共同検証により、LTE-Advancedの3キャリアアグリゲーション機能を利用したデータ通信に成功したと発表した。

共同検証は、QualcommのLTE-Advanced 3キャリアアグリゲーションモデムを搭載したモバイル通信端末とアンリツの基地局シミュレータ「MD8430A」、検証用のテストケースを作成するツールであるラピッドテストデザイナ(RTD)で行われた。キャリアアグリゲーションは、複数の周波数帯を組み合わせ、より大きな帯域幅(電波の周波数の範囲)を作り出す技術であり、LTEをさらに高速化するLTE-Advancedの主要機能の1つとなっている。現在、2つの周波数帯を組み合わせ、下り(基地局からモバイル端末方向)300Mbps、上り(モバイル端末から基地局方向)50Mbpsのデータ通信を可能とする2キャリアアグリゲーションの導入が世界各国で進展し始めているが、下り450Mbps、上り50Mbpsの高速データ通信を可能とする3キャリアアグリゲーションの開発も本格化している。

アンリツは、従来からQualcommのパートナーとして、同社の各種モデムの開発を支援しており、今回はLTE-Advanced 3キャリアアグリゲーションモデムのデータ通信の検証を実施した。そして、下り450Mbps、上り50Mbpsの高速データ通信に成功したという。

今後、今回の共同検証の成果を生かし、アンリツは「MD8430A」によるLTE-Advanced 3キャリアアグリゲーション試験ソリューションの商品化に注力していくとコメントしている。

共同検証に使われたアンリツの基地局シミュレータ「MD8430A」