シェアはファンや投稿のリーチ増加に効果的です。シェアされるFacebook投稿の3要素と、シェアされやすい投稿9つのパターンをご紹介します。

こんにちは、SMMLab ゲストライターの柴です。

「シェアされる投稿を作ってバズらせよう!」という会話をたまに耳にします。その割に、投稿は博打的に作成しているケースが多いではないでしょうか。

確かにシェアは「いいね!」やコメントに比べて、リーチを増やすという点で圧倒的に効果的です。Facebookページのファンも増えるでしょう。

だからといって「なんとなく」の博打で投稿を作成しても上手くいきません。狙いを定めて投稿の設計・振り返りを行っていく必要があるのです。

今回はシェアされるFacebook投稿の3要素と、シェアされやすい投稿9つのパターンを事例つきでご紹介します。

シェアされる投稿の3要素

筆者はこれまで何千もの国内Facebookページを見てきましたが、多くの人にシェアされる投稿には、感情、自己表現、保存の3つのうち、1つ以上の要素が含まれていると考えています。それぞれ詳しく解説していきましょう。

1.感情を突き動かす

感情が大きく動かされることで、反射的にシェアしてしまうものです。
「すごい」「ひどい」といった喜怒哀楽を呼び起こすものや、「行きたい」「食べたい」「欲しい」といった欲求を刺激するもの、「かわいい」「クール」「面白い」など趣味嗜好によって関心をひく投稿が挙げられます。

2.自己表現をする

「他人から自分がどう見られるか」を意識してシェアするものです。
ファッションやビジネスなど特定ジャンルの最新トレンド、まわりの人に喜ばれる情報、自分の思考を代弁している(と感じる)有名人の発言や名言といった投稿が挙げられます。
要はシェアすることで「自分はこういう人間だ」ということを表明できる投稿です。

3.保存の価値を感じる

必要になったときに見返したくなるようなものです。お役立ち情報をはじめとした、個々人にとって保存したくなるものです。
実際に流れてきた投稿を、保存する代わりにシェアする人も多いのではないでしょうか。

シェアされる投稿9パターン

次いで、シェアされている投稿9パターンを事例とともにご紹介していきます。

1.テクニック・ハウツー

学びが得られるコンテンツです。
左は、自分の保存用にシェアした人が多いと考えられます。保存用のシェアを狙う場合は「ここでしか得られない情報」であることが重要です。

右は他人に役立つ情報を届けたり、新しい発見が嬉しくてシェアされるタイプの投稿です。意外と知られていないものや、トリビア的な驚きがあるものはシェアする動機を強化するのでおすすめです。

▲左:Nikon / 右:Facebook navi (フェイスブックナビ)

2.図解

同じく学びが得られる投稿でも、ニュースフィード上で図解を見せるとシェアが促進されます。

左の投稿ではハウツーがそのまま画像に掲載されており、保存用にシェアしやすいです。
右の投稿はグラフが付いています。ひと目で理解できる投稿は、自分が理解しやすいだけではありません。人に伝えやすいからこそ、シェアされやすいのです。

▲左:pixiv / 右:朝日新聞(Asahishimbun)

3.名言格言

名言格言は共感したり気づきを得られたことで感情が高ぶり、反射的にシェアされる傾向があります。
特に右のような前向きな姿勢を表した言葉は、自分の考えを表明するためにシェアするケースもあるでしょう。

▲左:ピジョン / Pigeon/ 右:Nike Football

4.スポーツ

五輪やサッカーW杯、テニスや卓球、フィギュアといった国際大会など、全国的に盛り上がりを見せるスポーツに関する投稿です。
「嬉しい」「すごい」「悔しい」「残念」といった感情の高まりと密接な関係があるからこそシェアされやすく、関心を抱く人の数の多さからシェアの数が稼ぎやすいと言えます。

試合結果の速報が加わると、よりシェアを加速できます。もしくは、直接の試合話だけでなく自社と絡めた投稿でもよいでしょう。

▲左:Uniqlo / 右:東京タワー Tokyo Tower

5.きれい・かわいい

依然と根強い人気がある絶景や動物の写真。もちろんFacebookページの主旨とずれる投稿は推奨できませんが、シェアされやすいことも事実です。

左は、いわゆる絶景写真。「行きたい」といった欲求を刺激したり、写真を見て癒されたり感動したという気持ちからシェアされています。
右は猫の写真です。ただ「かわいい」だけでなく、ポーズに希少性があることがシェアを加速させているのではないでしょうか。

▲左:九州観光旅行情報(Kyushu Tourism Information) / 右:フェリシモ猫部

6.今だからこそ

今日、もしくは現在起きていることで「今」シェアすることに価値がある投稿です。

左は、現在の台風情報です。まわりの人に参考になる情報を発信することがシェアを掻き立てます。「今」シェアすることに意味があるものですね。
右は「今日は犬の日」であることを伝える投稿です。今日のことだからこそ「今」シェアしたくなります。写真が「かわいい」ことも、シェアを促していることは言わずもがなでしょう。

▲左:うるま / 右:Iams / アイムス – Japan

7.共感、感動

強い共感や感動を呼ぶものは、シェアを集める投稿の鉄板です。他の人と共有したいという思いからのシェア、あるいは衝動的にシェアするケースもあるでしょう。

左は働くママが、共感するシーンを切り取ったものです。当事者が語るからこそ、共感するのでしょう。ターゲット共通の悩みや迷いが内容の種になっていることがポイントです。
右の投稿は、ママでなくとも涙腺が緩むような動画です。幅広い層の人が感動するストーリーは、多くのシェアを獲得することができます。

▲左:ピジョン / Pigeon / 右:HuffPost Japan

8.面白いネタ

思わず「クスっ」となる投稿や、ツッコミどころのある投稿はシェアを集めます。

左はムックが自撮りをして失敗した写真です。この投稿を見た人が「怖い」「ワロタ」のほか「完全にぶっささってる。」「ムックの自撮り アウト!」といったコメントをつけてシェアしています。

突っ込む余白が残されているからこそ、ユーザーの間の話題になりやすいのです。

右は熊本県警が使用している電光掲示板に、お笑いコンビ 日本エレキテル連合の流行語「ダメよ~ ダメダメ」を使ったメッセージが表示されたものです。
単に「面白い」だけでなく流行に便乗した点と、「危ない。これで事故になったらどうするんだ。」など物議を醸した点がシェアを増幅させました。

左:ムック / 右:HuffPost Japan

9.クイズ・問題

解けた喜びや「自分は解けた」という主張、「他の人にも試してほしい」という気持ち、「難しいから助けてほしい」といったコミュニケーションのなかでシェアされる傾向があります。

左は頭を使う問題です。「このパズルが解けた人は頭の回転が速い!」という言い回しが、ソフトにユーザーを煽ります。解けたことを人に自慢したくなる、つまり自己表現の一部にもなるからです。
右は間違い探しです。「見つけた人はお友達にシェアしてくださいね!いいことがあるかも!?」という、シェア側へのメリットを期待させながらのコールトゥーアクションがシェアを加速しています。

なお、これらの投稿にはユーザーがネタバレをしないようなルールづくりと呼びかけも必要であることに注意したいものです。

▲左:科学雑誌Newton(ニュートン) / 右:ヱビスビール YEBISU BEER

シェアされる要因を見極めることが重要

実は、ご紹介した以外にもシェアされる投稿のパターンは存在します。
例えば「懐かしいもの」「同情されるもの」「議論を呼ぶもの」「熱狂的なファンがいる人やキャラクターのネタ」などです。

しかし、パターンをただ真似ただけで必ずシェアされるわけではありません。重要なのことは、シェアされる要因が投稿のなかにあるかどうかです。投稿した後にはどういう要素があればシェアされるのか、あるいはされないのかを振り返っていくべきです。

そうすれば、シェアされる投稿の作成は博打ではなく、計画的に行えるようになるのではないでしょうか。

ライター紹介

柴 佳織(Kaori Shiba)

企業のFacebookページのコンサルティングから、解析・運用支援などを行う。また、Facebookマーケティングのライターや講師も務めている。

本稿は、ソーシャルメディアマーケティングラボにて掲載された記事を転載したものです。