住友電気工業(住友電工)は12月15日、LTE小型基地局用オールインワン無線モジュール「TPM-2606P2」のサンプル出荷を開始したと発表した。

同製品は、今後普及が進む2.6GHz帯のTD-LTE用基地局向けであり、基地局構成に必要な送信増幅器、受信増幅器、送受切替スイッチといったすべてのRF回路をコンパクトにモジュール化している。このため、開発・製造期間を短縮することができ、スモールセルの導入を容易にする。

具体的には、ドハティ型増幅器の採用により、40%以上(LTE信号6W出力時)の高い電力利用効率を実現している。さらに、バランス型増幅器により、低雑音、高耐入力電力とアンテナ端子の低反射特性を同時に実現している。また、サーキュレータとの組み合わせにより、低損失なスイッチを実現すると同時に、印加電力を低減し信頼性を高めている。そして、送信増幅器で生じる歪みを補償する回路を内蔵しているため、外部に高価な歪み補償回路が不要な他、製造現場での増幅器と歪み補償回路との組み合わせによる規格未達などのトラブルを防ぐとしている。

なお、同社では今回サンプル出荷を開始した「TPM-2606P2」以外にも、2.6GHz帯のFDD-LTE用や3.5GHz帯TD-LTE用モジュールの開発を進めているという。

LTE小型基地局用オールインワン無線モジュール「TPM-2606P2」