シード・プランニングは12月9日、スマートフォン・タブレットの利用動向の調査を実施し、2020年までの展望を発表した。

国内のハンドセット端末契約予測(単位:万契約)

スマートフォンは、従来の6万~8万円程度の高級機と、3~4万円以下の廉価版の二つが主力となる。廉価版スマートフォンは、フィーチャーフォンからの乗り換え需要が拡大することを見込み、2020年にはスマートフォンの1億1400万契約、そのうち30%を占めるようになると予測している。

スマートフォン以外の通信端末は、タブレットが2000万回線、M2M、IoT通信モジュールのモバイル回線分が7700万台となる。

スマホ向けアプリは、2020年でも現在のiPhone向けのApp StoreとAndroid端末向けのPlayストアという2強体制に変わりはないが、Windows Phone向けのWindowsストアが後を追う格好だ。

アグリケーションは、Amazon、楽天、ヤフー、NTTドコモ、KDDIなどがある。アプリストア・アグリゲーションサービス市場は、2013年の3倍に伸長し、約4億9900億円になるという。

SNS関連サービスの市場は、Facebook、LINE、Twitter、ミクシィ、サイバーエージェントの主要5社の合計が2020年度に約1兆1900億円となり、2013年度比の約20倍に成長する。

これは、従来のテキストによるコミュニケーションだけでなく、スタンプ、電話、ゲームなどSNSのサービスに広がりを見せていることが大きい。

動画コンテンツの市場は、現在でもスマートフォン普及に比例して拡大している。YouTube、ドワンゴ、dビデオ、auビデオパスの4サービスの市場規模は、2013年度が約1700億円。2020年度には約2倍の約3400億円になる。

スマートフォンやタブレットによる決済システムは、今後も注目を集める分野だ。モバイルECにおいて、2013年度の4兆3000億円から2020年には11兆5000億円に増加する。モバイル決済の手数料は、平均3.1%から2.6%で推移し、2013年度の1333億円から2020年度2990億円に増加する。

通信端末の増加により、モバイルデータのトラフィックは今後5年間に13倍~16倍に増加する。このため、自宅外での公衆Wi-Fiサービスの必要性がこれまで以上に高まる。

さらに、2020 年東京五輪に向けて、海外からの観光客が増加することを見越して、公衆Wi-Fiの整備が進む。公衆Wi-Fi契約回線数は、2013年度の1500万契約回線から2020年度には3200万契約回線へと増加すると見込んでいる。

スマートフォン、タブレット端末のアクセサリー類では、今後ウェアラブル機器のバリエーションが増えるのに伴い、運動/ヘルスケアとの連携サービスが定着する。

2013年度はウェアラブル機器が25億円、アクセサリー類が約1640億円の市場に対し、2020年度にはウェアラブル機器が600億円、アクセサリー類が3400億円の市場に成長する。

調査は、2014年8月~11月の間、スマートフォン利用者で月額1万円以上のARPU者400人に対してアンケートを実施した。