IDC Japanは12月9日、国内携帯電話およびスマートフォンの2014年第3四半期(7~9月)の出荷台数を発表した。

これによると、2014年第3四半期のスマートフォンと従来型携帯電話の出荷台数は前年同期比14.8%減の766万台、国内スマートフォン出荷台数は前年同期比24.2%減の521万台と、共に3四半期連続のマイナス成長となった。

マイナス成長の主要因としては、通信事業者の販売奨励金戦略の見直しによる販売台数減少の影響、次世代iPhoneの市場投入前のユーザーの買い控え、Android搭載スマートフォンの販売不振による出荷台数の減少傾向が続いていることが挙げられている。

スマートフォンを含む携帯電話総出荷台数におけるベンダー別シェアでは、アップルが8四半期連続で首位の座を維持。スマートフォン市場がマイナス成長を記録するなか、同社は9月後半に新製品「iPhone 6」「iPhone 6 Plus」を市場投入したことで、シェアが43.2%へと上昇している。

大手通信事業者3社に従来型携帯電話と「AQUOSシリーズ」のスマートフォンを安定供給しているシャープがシェア13.9%を獲得して前四半期と同じく第2位に、第3位には、au向けを中心にスマートフォンと従来型携帯電話を同時出荷している京セラがランクインしている。

スマートフォンのベンダー別シェアでは、iPhoneの新規販売の好調が続くアップルがシェア63.5%を獲得して第1位に、ソフトバンク/米国スプリントと共同開発した「AQUOSシリーズ」の出荷増加を果たしたシャープが第2位となっている。第3位には、NTTドコモおよびau向け「Xperiaシリーズ」の販売が堅調なソニーが、前四半期と同様にランクインした。

2014年第3四半期 国内携帯電話出荷台数 ベンダー別シェア 資料:IDC Japan

2014年第3四半期 国内スマートフォン出荷台数 ベンダー別シェア 資料:IDC Japan

携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの木村 融人氏は、「2014年第4四半期(10~12月)は、『iPhone 6』『iPhone 6 Plus』の出荷増に加え、Android搭載の新規端末もベンダーから積極的に市場投入されることにより、出荷台数は一時的に好転する可能性が高い。しかし、年間ベースではマイナス成長となるIDCの予測に変更はない」とコメントしている。