官民ファンドの海外需要開拓支援機構(以下、クールジャパン機構)は8日、ラーメン店「博多一風堂」を展開する力の源ホールディングス(以下、力の源)に対し、海外展開資金として計20億円を支援すると発表した。約7億円の出資と最大13億円の融資枠を設定する。

力の源は、2008年に海外1号店となる直営店を米ニューヨークに出店。以降、アジアを中心に海外展開を進めているものの、出店ハードルの高い欧州においては、他の外食企業同様これまで店舗展開ができていなかった。2014年10月、欧州初出店となるロンドン1号店を開店し、今後、欧米豪へ本格展開させることが課題となっているという。

クールジャパン機構は力の源に対し、欧米豪の主要都市での出店資金や、海外において他の日系外食企業も活用できるセントラルキッチンなどの設立資金として、計20億円を支援。具体的には、「博多一風堂」を展開するとともに、欧州や米国において日系外食企業に必要な食材の製造・販売拠点の設立を計画している。

「ラーメンダイニング」をコンセプトとしたシドニーの「博多一風堂」店舗(写真提供:力の源)(出典:クールジャパン機構Webサイト)

現地の嗜好に合わせたサイドメニューと共に提供する「ラーメンダイニング」の展開は、日系食材の流通ルートとして効果が期待されており、今後は日本酒関係団体などとの連携も検討している。クールジャパン機構は、これらの取り組みにより世界での「日本食」ブランド確立を目指すとともに、日本食ファンの獲得と日本食産業の発展を支援するとしている。