アットマークテクノは12月4日、IoT向けゲートウェイ「Armadillo-IoT」がPaaS型クラウドサービス「Heroku」に対応し、セールスフォース・ドットコムのIoT/M2M活用支援サービス「Salesforce1 IoTジャンプスタートプログラム」の導入コンサルティングパートナーと協力して、IoTを活用した新規サービスを導入したい企業向けにワンストップでIoTシステムを構築する体制を整えたと発表した。

IoT(Internet of Things)は、各種のセンサの情報をインターネットに接続し収集したデータをビッグデータとして解析することで、さまざまな新しいサービスを生み出そうという概念である。しかし、その実現のためには、センサの接続手段やセンサからのデータ取得方法など組み込み技術に関する知識から、クラウドへの大量のデータ転送やデータベースへの保存、表示などスケーラブルなWebサービス構築に関する知識、さらにはビッグデータの解析手法まで、幅広いレイヤの技術知識が必要とされ、IoTシステム開発のネックとなっていた。アットマークテクノは、「Armadillo-IoT」を、高いスケーラビリティと開発生産性を併せ持つ「Heroku」に対応させることで、これらの問題への解決法を提供するとしている。

「Armadillo-IoT」は、各種センサとインターネットの接続を中継するIoT向けゲートウェイである。専用のアドオンモジュールを活用することでさまざまな機能を拡張でき、ハードウェアの自由度が高いことが特徴となっている。RS232C/422/485、接点入出力など一般的なセンサ接続に広く使われるインタフェースの他、EnOceanやWi-SUNなど新しい省電力無線通信規格にも対応する。さらに、LinuxがプリインストールされJavaやRubyにも対応し、MQTTクライアントやfluentdなど、クラウドサービスと親和性の高いソフトウェアスタックが用意され、ソフトウェア面でも開発の自由度と開発しやすさの両立を図っている。

一方、「Heroku」は、クラウド環境でカスタムアプリケーションを開発、導入、運用することができるプラットフォームである。アプリケーションのクラウドへのデプロイをシンプルなコマンド1つで実行でき、サーバの管理に悩むことなくアプリケーションの開発に集中することができる。また、「Heroku」には簡単に機能を追加するためのアドオンの仕組みがオープンな仕様で用意されている。すでに多くの企業からこの仕組みを利用したアドオン機能が提供されているため、「Heroku」上で新たなサービスを開発する際には、必要なアドオンをピックアップして効率よく開発を進められる手軽さが大きな特徴となっている。「Heroku」はセールスフォース・ドットコムが提供するクラウドプラットフォーム「Salesforce1 Platform」の一貫として、同社の子会社Heroku社によりサービス提供されている。

今回、アットマークテクノでは、セールスフォース・ドットコムの認定コンサルティングパートナーであるウフル、フレクトと協業を進め、セールスフォース・ドットコムの「Salesforce1 Platform」と連携した高い付加価値を持つIoTシステムを構築するサービスを提供する。「Armadillo-IoT」と「Heroku」、「Salesforce1 Platform」を連携させ、「Armadillo-IoT」から「Heroku」に収集した"モノからの情報"を、「Salesforce1 Platform」上で"人が見て理解できる情報"として分析・表示する開発をフレクト、ウフルの両社が請け負うことで、IoTシステムの構築からサービスインまでをスムーズにかつ短期間で実現できるという。

なお、アットマークテクノは、12月発売予定の「Armadillo-IoT ゲートウェイ スタンダードモデル開発セット(型番:AG401-D00Z)」に、簡単な設定だけで「Armadillo-IoT」のデータを「Heroku」に自動送信できるサンプルプログラムを標準添付する。サンプルプログラムのソースコードはアットマークテクノのWebサイトで公開される予定であり、I/O部分を制御するコードを追加開発するだけで、さまざまなセンサの接続を実現することができるとしている。「Armadillo-IoT ゲートウェイ スタンダードモデル開発セット」の価格は4万9500円(税抜き)。

「Salesforce1 IoTジャンプスタートプログラム」のイメージ図