NTTアドはこのほど、「移住に関する調査」の結果を発表した。同調査は、東京に勤務する20代~40代男女927人を対象に実施したもの。

東京に勤務する20代の3人に1人が「脱東京」を模索

世代により移住先に求めるものが異なる

東京に勤務する20代~40代男女のなかで「脱東京志向者」が最も多い世代は20代の32.7%となり、世代が上がるにつれてその割合が減少していた。また、20代のうちとりわけ高額所得世帯の人は、東京での住環境、食環境、仕事環境への満足度が比較的高いにもかかわらず、「脱東京」を志向していることがわかったという。

「脱東京志向者」が移住したい理由としては、20代では、程よい人口密度、程よい距離感、程よいにぎやかさのある「中都市志向」。永住を前提とした移住とは違い、「カジュアル移住」ともとれる新たな意識が読み取れた。30代では、子育て環境に対する意識が高く、災害等からの「リスクヘッジ志向」が目立った。40代では、スローライフを求める「田舎志向」と東京並みの生活インフラを移住先にも求める「利便性重視」に二分された。

20代が希望する主な移住先は「東京圏以外の政令指定都市」「政令指定都市以外の県庁所在地」であり、「中都市志向」が読み取れた。一方、40代が希望する主な移住先は「県庁所在地以外の市部」「農村部・山間部・漁村部」「離島・諸島」であり、「田舎志向」「スローライフ志向」が読み取れた。

「脱東京志向者」の移住後の仕事としては、場所を選ばずに仕事ができる、芸術系フリーランス、デジタルクリエーター、ITフリーエンジニアといったIT系の人の割合が多かった。また、20代はソーシャルメディアの利用率が高いことが、地理的な距離感をさほど気にしない要因となっていることがうかがえた。

東京から福岡への「移住実践者」に対するインタビュー調査では、「福岡を生活する場として、東京を情報収集する場として使い分け、『2拠点居住』を実践している」といった声や、「東京では埋もれてしまうけど、地方なら目立てる」といった声が聞かれ、「カジュアル移住」に通じる感覚を持っていたという。