制作期間3年以上を費やした自然ドキュメンタリーシリーズ『ノース・アメリカ』(全7話)が、23日12時から動物エンターテイメントチャンネル「アニマルプラネット」で一挙放送される。

自然ドキュメンタリーシリーズ『ノース・アメリカ』

最先端技術を駆使した同シリーズは、2,830日にわたって110種の動物を撮影。アメリカの放送では、ディスカバリーチャンネルとBBCの共同制作番組『ライフ』(2010年)以来の最高視聴率を記録した。それだけ注目を集めるのは、自然の持つ繊細さや壮大なスケールを伝える映像美。時には世界初となる瞬間を捉えることもあるが、その分撮影は大掛かりになり、時に死と隣り合わせになることもあるという。

撮影エリアは、アメリカ29州、カナダ8州に加え、北極圏からパナマ運河までの10カ国。総勢51人のカメラクルーたちは、250回にもわたって撮影地を渡航した。雪崩撮影のためにダイナマイト100本を使用したり、オオカミの捕食シーンを撮るために120時間飛行したり、竜巻映像を収めるために22万キロも移動したり、草原に生息する動物を視線の高さで撮影するために土を350トンも掘ったり…。彼らは、貴重な一瞬を捉えるために手段を選ばない。

カナダ・ラブラドルでは、ホッキョクグマの撮影に成功。北極圏から離れた場所での映像は25年ぶりの快挙となったが、撮影クルーは真夜中にホッキョクグマがキャンプ場の扉をたたく音で目覚めた。メキシコのクリスタル洞窟は、湿度100%、気温48.9℃という過酷な環境。体温調節のため、凍らせたジェルが裏地に使われた防護服を着用したが、30分以上滞在すると死に至るという地獄のような場所だった。

そのほか、発情期のバイソンを撮影するために群れの中に潜り込み、押しつぶされそうになることも。コスタリカでのジャガーの撮影では、森でアシスタントカメラマンが正面からジャガーと遭遇。60センチほどの近さを通り過ぎていったが、その間もカメラを回し続けた。ブラックベアーと遭遇することも数回。時にはキャンプ場の柵を乗り越えてきたこともあったという。

23日に放送されるのは「生存競争」(12:00~)、「草原」(13:00~)、「山々と森」(14:00~)、「沿岸部」(15:00~)、「砂漠」(16:00~)、「撮影の舞台裏」(17:00~)、「絶景ベスト10」(18:00~)の全7話。主題歌はボン・ジョヴィの「アーミー・オブ・ワン」。ナレーションは日本語を竹中直人、英語をトム・セレックが担当している。



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