内閣府政府広報室はこのほど、定期予防接種の対象に、乳幼児対象の「水ぼうそう」と高齢者対象の「肺炎球菌感染症」を加えたことを政府広報オンラインにて発表した。

定期予防接種の対象に「水ぼうそう」と「肺炎球菌感染症」を追加

予防接種は、感染症の原因となるウイルスや細菌などの病原性を無くしたり弱めたりした「ワクチン」を体に接種して、その病気に対する抵抗力(免疫)を獲得するための予防手段。接種することで、一般にその病気にかかりにくくなり、病気にかかってしまっても重症となることを防ぐことができるとのこと。なお周囲の人への感染を防ぎ、その病気の流行を防ぐことにもつながるという。

定期予防接種は、予防接種法に基づいて病気ごとに対象年齢などの条件が定められており、市町村ごとに実施している。接種費用の助成があり、無料または実費より低い負担で接種を受けることができる。

今回新たに定期予防接種の対象に加わった病気は、水ぼうそう(水痘)と肺炎球菌感染症の2つ。

肺炎球菌感染症は、インフルエンザと同様に高齢者が感染すると肺炎などを引き起こして重症化しやすい病気だという。そのため定期予防接種は、65歳以上の高齢者が対象となる。若い人に比べて、早期の段階でも呼吸不全に陥りやすく、急に悪化して心不全を引き起こすなど命にかかわることが多いため、早期発見および早期治療が必要とのこと。

水ぼうそうの定期予防接種は、生後12カ月から36カ月までの乳幼児が対象。水ぼうそうは、空気感染、飛まつ感染、接触感染によって広がり、年間100万人程度が発症し、うち90%以上が9歳以下の子どもだとみられている。一部は重症化し、推定で年間4,000人程度が入院、20人程度が死亡しているとのこと。1回の接種で重症の水痘をほぼ100%予防でき、2回の接種で軽症の水痘を含めて予防できると考えられるため、定期予防接種は有効だという。

受けられる場所(医療機関など)や費用など詳細は、住民登録のある市町村への問い合わせが必要とのこと。