英Financial Timesの報道によれば、米Appleは来年2015年前半にも同社が買収したBeatsの音楽サブスクリプションサービスをiOSに取り込む計画だという。買収総額が30億ドル超とAppleにとっては過去最大規模の案件ながら、その目的や効果が不明瞭だったBeats買収だが、その具体的な姿が比較的近いタイミングで見られるようになるかもしれない。

同件はFTの初報を引用する形でReutersなどが報じている。「Beats by Dre」のヘッドフォンで有名なBeatsブランドだが、同社のもう1つの主力事業として、2012年のMOG買収をきっかけに2014年にスタートした「Beats Music」が挙げられる。いまオンライン音楽サービスで大きな勢力となりつつある有料サブスクリプションによる音楽配信だが、従来型の音楽ダウンロードサービスをiTunes Muiscとして提供しているAppleにとって、この新しい潮流をブランドごと取り込むことがBeats買収の一因だったともいわれる。

もしiOSそのものにBeats Musicをベースにした有料サブスクリプションサービスへの接続機能が標準搭載されれば、iOSアップデートが開始されたタイミングで大量のユーザーが同サービスへとなだれ込み、SpotifyやPandora等が先行する業界勢力図に変化が起きる可能性がある。FTによれば、3月にも同サービスを取り込んだアップデートが提供される見込みだという。