Freescale Semiconductorは11月11日(現地時間)、組み込みネットワーク製品の主力デバイスを対象としたシステムパワーマネジメント向けにマルチ出力降圧型レギュレータ「VR500」を発表した。

同製品は、同社の「QorIQ Layerscape LS1」プロセッサとの活用により、IoT化向けのセキュアなインフラストラクチャ機器を含めた幅広いアプリケーションで包括的なシステムソリューションを実現するように専用設計されている。また、同社のシステムパワーマネジメントポートフォリオに新たに加えられた製品であり、マイクロプロセッサおよびマイコンを補完するアプリケーションプロセッサ「i.MX」用PMIC、マイコン「Kinetis」と「i.MX」を統合したバッテリ電源システム向けのバッテリ充電器、および同社の32ビットマイコン「Qorivva」とシームレスに動作するように設計されたシステムベースチップ(SBC)などのソリューションがすでに用意されており、機能安全の厳格な要件への適合をサポートするとともに、ミッションクリティカルな車載および産業アプリケーションのシステム消費電力を低減する。

さらに、先日発表されたIoTゲートウェイ「LS1021A」との統合により、モバイルワイヤレスルータ、多機能プリンタ、ネットワーク接続ストレージ製品、および自動テラーマシンなど、ARMをベースとする「QorIQ LS1021A」プロセッサの高度なセキュリティ機能を利用したさまざまなインテリジェントアプリケーションに理想的となっている。また、「VR500」ソリューションが備えるコンフィギュアビリティは、アプリケーションごとに異なる電圧、電流、およびタイミングの要件に合わせて、より迅速かつ正確にシステムを設定することを可能にする。そして、プログラマビリティおよびダイナミックな電圧制御の実現を目的としたI2Cデジタルインタフェースによるダイナミックなレギュレータ制御は、プロセッサの性能を最適化し、電圧スケーリングを容易にする。加えて、4チャネルの統合降圧型コンバータとなっており、ターゲットデバイスの全負荷効率を向上させ、消費電力を削減し、スイッチングトランジスタの搭載を可能にする。この他、5つの統合LDOは、ペリフェラルへの電源供給に必要な柔軟性を備えると同時に、パッケージサイズを大幅に縮小する他、部品コストを劇的に削減するという。

なお、パッケージは耐熱性を強化した8mm角のQFNウェッタブルフランクパッケージ。現在出荷中で、価格は1万個購入時で3.75ドル~3.95ドル。また、開発サポート用として、「VR500」と 「KITVR500EVM」を組み合わせたハードウェアも用意されており、価格は149ドル。そして、同社の製品化対応のIoTゲートウェイ「LS1021A」は現在出荷中で、価格は429ドル。