アルティマは11月17日、Altera製FPGA向けにルネサス エレクトロニクスの「H8S C200」と互換性を有するIPコアを開発したと発表した。これにより、Alteraが提供しているARMベースのSoC FPGA、「Nios II」プロセッサと合わせ、より広範囲にFPGAベースの組み込みプロセッサに対応することが可能になるという。

「H8S C200」は、ルネサスが開発したCISCベースの16ビットマイコンである。組み込み市場では幅広く採用されており、さまざまな機能を内蔵した多岐な製品をシリーズ展開している。「H8S C200」のCPU命令は、ルネサスの標準製品である「H8S」ファミリと互換性がある。また、周辺機能のタイマやシリアルインタフェースは、「H8S」マイコンと同等の機能を持っている。さらに、CPUが管理するメモリは、最大256KBまで内蔵されており、IoTのセンサネットワークなど、比較的小規模のシステム制御に適しているという。

今回発表されたIPコアは、周辺モジュールに、バスコントローラ(BSC)、割り込みコントローラ(INTC)、16ビットフリーランニングタイマ(FRT)、8ビットタイマ(TMR)、ウォッチドッグタイマ(WDT)、PWMタイマ(PWM)、シリアル(SCI)、オンチップデバック機能を有する。命令セットはH8S/2600またはH8S/2000を有している。

そして、システム統合ツール「Qsys」によるインターコネクトファブリック「Avalon」に対応しているため、同IPを使用することにより迅速にユーザー論理と接続することが可能になり、FPGAでユーザーオリジナルの「H8S C200」マイコン搭載システムチップの実現が可能になる。

なお、同IPは、今年発表されたAlteraのFPGA「MAX 10」への組み込みを予定している。今後、アルティマは「MAX 10」限定の評価用IP、ドライバと「MAX10」ボードをバンドルした評価パッケージを販売していく予定。

Altera製FPGA用「H8S C200」IPコアの組み込みイメージ