オーストリアのアナログICメーカーamsのフルサービスファウンドリ事業部は、迅速かつコスト効率の高いICプロトタイプサービス「マルチプロジェクトウェハ(MPW)またはシャトルラン」の2015年のスケジュールを発表した。

さまざまなユーザーによる複数の設計を単一のウェハ上に展開するプロトタイプサービスは、シャトルを利用する複数のユーザーがウェハとマスクを共有することで、ファウンドリカスタマに大きなコストメリットを提供する。amsは現在、"More than Silicon"戦略をさらに拡張し、2015年に行う特定のMPWランにおいて、シャトルを利用するユーザーに、高度なパッケージングサービスとしてのWLCSPを提供する。このプロトタイプサービスとチップスケールパッケージングの組み合わせは、大幅なコスト削減と高度な柔軟性を提供するとしている。

具体的には、同社のMPWサービスは0.18μmと0.35μmの全製造プロセスに対応している。このうち、最先端のアナログ半導体プロセスの技術、製造およびサービスを提供するため、0.18μm CMOS(C18)プロセスで4回のMPW、および1.8V、5V、20V、50Vデバイスをサポートする0.18μm高耐圧CMOS(H18)先端技術で4回のMPWを行うという。さらに、TSMCより同社が引き継いだ0.35μmCMOSプロセスに基づく0.35μm特殊プロセスでは、2015年に計14回のMPWを行う予定。そして、車載用および産業用の高耐圧設計に最適な0.35μm高耐圧CMOSプロセスファミリは、20V、50Vおよび120Vデバイスをサポートする。加えて、EEPROM組み込みを特徴とした先進の高耐圧CMOSプロセス並びに0.35μm SiGe-BiCMOS技術S35は、CMOSをベースにしたプロセスおよび同社のMPWサービスポートフォリオと完全な互換性を有している。

なお、2015年は、長期にわたり連携しているCMP、Europractice、Fraunhofer IISおよびMosisなどのパートナーにより、全体でおよそ150のMPWを行う。また、日本のユーザーも、ローカルMPWプログラムパートナーであるトッパン・テクニカル・デザイン・センター(TDC)を介して参加が可能である。プロセスごとの詳細なスケジュールはamsのWebサイトに掲載されている。