「OOH」って何?なんとなく分かっているつもりの基本的なマーケティング用語を、SMMLabがやさしく解説します!

用語説明:【OOH(Out of Homeの略)】

自宅以外の場所で接触する広告メディアの総称。交通広告や屋外広告、大型ビジョンなどの他、コンビニエンス・ストア店頭のディスプレイ、スポーツ施設、建築中ビルの仮囲い、レストランのテーブルポップ、街頭でのイベントやサンプリング、配布チラシなども広意でOOHメディアと言える。広告の到達コストが安く、認知持続性が高いのがメリット。

また、他媒体と比べて、媒体の規格による制約が少ないため、クリエイティブな特色を出しやすく、アイディア次第では大きなインパクトを与えることが出来るが、自治体によって屋外広告物に対する規制が異なるので注意が必要。

解説

スマホ連携によって強力なO2Oツールに

従来はマス広告のリマインダーとして捉えられることが多かったOOHですが、近年、インターネットやモバイルの隆盛によってクロスコミュニケーション化が進み、日常生活の活動導線上や購買活動の現場に近いOOHのメディア特性が再評価されています。

以前からQRコードや検索キーワードを使ってOOHからウェブサイトへ誘導する手法は多く使われていましたが、モバイルブロードバンドの高速化やスマートフォンの高性能化により、地域密着でリアルタイムに表示が設定可能なOOHが、強力なO2Oツールになりえる可能性が広がっています。

最近ではデジタルサイネージの表示内容をスマートフォンに送信するBeaconを利用して、クーポンを配信し店舗へ誘導したり、ECサイト購入を促すことも可能になりました。このようにスマートフォンによって、OOHの情報が直接購買意思決定につながる効果を発揮しつつあります。

先端テクノロジーでインパクトを増すイメージ形成メディア

また、屋外にいる無意識な人間に露出されるOOHは、潜在認識に訴えかける刷り込み効果や、偶然の認知だからこそのインパクトによって記憶に残りやすい利点がありますが、ディスプレイサイズの大型化や、3D、AR、デジタルマッピングなどのテクノロジーの進化によって、クリエイティブの表現力がより豊かになり、イメージ形成メディアとして広告効果も高まっています。

データ連携でオムニチャネル戦略の重要メディアに

さらに今後はビッグデータを活用した高精度なターゲティングが可能になると考えられますし、デジタルサイネージの視認をデータ化し、マスやネット、店頭でのマーケティングに活用することも出来るでしょう。

ウェアラブルデバイスの登場などで、生活者の消費行動におけるタッチポイントはこれからますます多様化すると考えられ、小売や流通以外の企業でもオムニチャネル戦略への取り組みが急務となりつつあります。テクノロジーとデータで進化したOOHは、屋外での顧客接点をオムニチャネル化するための重要なメディアになるのではないでしょうか。

イラスト

速瀬 みさき

1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!

公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ

本稿は、ソーシャルメディアマーケティングラボにて掲載された記事を転載したものです。

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