経済協力開発機構(以下、OECD)は12日、「科学技術産業アウトルック2014年版」を発表した。それによると、中国は科学技術の研究開発費(R&D支出)において、2019年頃に日本・米国・EUなどを追い抜き、世界1位になると予想している。

研究開発費の推移と予測(出典:OECD東京センターWebサイト)

2008年~2012年までの期間、OECD加盟国における年間研究開発費の成長率は1.6%だったが、これは2001年~2008年までの成長率のわずか半分にとどまる。この要因としては、多くの国で研究開発費の予算が停滞あるいは縮小し、企業投資もその影響を受けたためと考えられる。一方、中国の研究開発費は2008年から2012年で倍増し、2019年頃には世界1位になると予測している。

2012年の研究開発費を見ると、OECD加盟34カ国では計1.1兆米ドル、BRIICS6カ国では計3,300億米ドル。国・地域別では、中国が2,570億米ドル、米国が3,970億米ドル、EU28カ国が計2,820億米ドル、日本が1,340億米ドルなどとなった。

2012年に最も研究開発費に注力した国は韓国でGDPの4.36%を充てていた。OECD平均は2.4%だった。

世界のトップ科学的出版物について見ると、2013年は全体の12%をBRIICSが占め、10年前から倍増。米国の割合は28%だった。

また、ほとんどのOECD加盟国政府や企業が研究開発費において経済危機から回復できていないことから、世界の研究開発費に占めるOECDの割合は、過去10年で90%から70%にまで下落していたことがわかった。