全国第2位の人口を抱える神奈川県のデータは?

神奈川県の人口は東京の次に多い907万9,000人(平成25年10月1日現在 総務省統計局調べ)であり、日本全国のおよそ7.1%を占めている。東京都で多い名字ランキングでは、全国の縮図とも言えるデータとなったが、全国2位の人口を誇る神奈川県はどうだろうか?

「鈴木」さんは関東に多い

神奈川県で1番多い名字は「鈴木」さんで、神奈川県にはおよそ19万人の「鈴木」さんが住んでいる。「鈴木」姓のルーツは、現在の和歌山県と三重県南部の紀伊国熊野にあると言われている。語源は熊野地方の方言で、稲を刈り取って積む"稲山"に建てた1本の棒を「スズキ」と呼んでいたことにあるとされており、豊作を願う農民が神官から「鈴木」姓を賜り、熊野神社の勧請によって全国各地に広まった。

現在「鈴木」さんは全国で2番目に多い名字であり、特に「鈴木」さんは関東地方に多く、群馬県を除く1都5県で1番多い名字となっている。ちなみに、群馬県での順位は6位である。

全国では1番多い名字である「佐藤」さんが、神奈川県では2位にランクイン。神奈川県に住む「佐藤」さんの人数は、およそ15万8,000人にもおよぶ。「佐藤」さんは、北海道・東北地方では青森県を除く1道5県で1番多い名字であり、青森県でも2位になっている。また、関東地方では神奈川県の他に、「佐藤」さんは東京都・茨城県で2番目に多く、埼玉県・千葉県・栃木県・群馬県で3番目に多い名字となっている。

3位は「高橋」さんで、神奈川県にはおよそ13万3,000人の「高橋」さんがいる。「高橋」さんのルーツは、伊勢(現在の三重県)、大和(奈良県)、三河(愛知県・静岡県)、遠江(静岡県)、駿河(静岡県)などの各地にあると言われている。そのため、全国的に多く存在し、全国順位も3位となっている。

神奈川県の名字ランキングベスト30

「梅干野」「芥生」「聖代橋」さん

神奈川県の上位30の名字の中には、全国順位で30位以下のものもいくつかある。13位「石井」さんは全国順位で37位のほか、18位「金子」さん(56位)、21位「青木」さん(41位)、25位「遠藤」さん(38位)、27位「長谷川」さん(34位)、28位「小川」さん(32位)がある。特に「金子」さんは、現在の神奈川県北部を含む武蔵国入間郡金子村が起源とされているので、全国順位に比べて神奈川県では上位になっているようだ。

もちろん、神奈川県には珍しい名字の人もいる。全国人数がおよそ30人の「梅干野(ほやの)」さんは相模の発祥とされている。およそ40人の「芥生(あざみ)」さんは、「阿佐美」姓や「浅見」姓に関連するという説もある中、神奈川県には「あざみ野」という地名が存在しているため、地域と関係があるとも考えられる。

およそ60人の「聖代橋(せいたいばし)」さんは厚木市にみられ、およそ200人の「三廻部(みくるべ)」さんは相模国足柄上郡三廻部がルーツとされている。相模国鎌倉がルーツとされている「大仏(おさらぎ)」さんはおよそ200人、相模が起源と言われている「若命(わかめ)」さんはおよそ300人のとなっている。「一寸木(ちょっき)」さんに至っては、そのほとんどが神奈川県在住(およそ1,000人)と言えそうだ。

「神奈川」さんや「横浜」さんも

県名と同じ「神奈川」さんは、全国におよそ200人いるよう。ルーツは、武蔵国橘樹郡(現在の神奈川県横浜市・川崎市周辺)の神奈川村にあると言われている。近年では、神奈川県よりも茨城県に多くみられるようだ。

また、神奈川県の県庁所在地である横浜市と同じ表記の「横浜」さんの全国人数はおよそ4,300人。ルーツは陸奥国北郡横浜村とされているので、神奈川県に特に多いわけではないようだ。

なお、神奈川県のベスト3の名字は東京都のベスト3と同じであり、ベスト30圏内の名字では93%(28件)が同じ名字だった。地理的に近い神奈川県と東京都は、名字の分布も近いと考えられる。

東京都の名字ランキングベスト30

※ランキングは、月間400万アクセスの「名字由来 net」アプリと「名字由来 net(Web)」の名字データベースから、電話帳データをもとに神奈川県・東京都で実世帯が確認できるもののみを集計し、人数の多い順に抽出。100人未満四捨五入により算出している。本文と写真は関係ありません

筆者プロフィール : 名字由来 net(リクルーティング スタジオ)

月間400万アクセスの「名字由来 net(アプリ・Web)」や月間200万アクセスの「無料 赤ちゃん名づけ」アプリなど、名字・名前・家系図に特化したサービスをアプリとWebで提供している。「名字由来 net」はApp Store 総合第1位200万ダウンロード、「無料 赤ちゃん名づけ」は App Store ジャンル第1位の実績。2014年5月には、名字情報を生かしたシミュレーションゲームアプリ「戦国村を作ろう」をリリースした。